ジャレド・ダイアモンドの文明論っていいよね。まさに目からウロコ!壮大な人類の歴史が、読み進むたびにグイグイ惹き込まれて、ページを繰る手が止まらないっ!!!
この本もよかったよね〜!♪ また再読したいなー!
さて、この本。
「600万年におよぶ人類の進化の歴史のなかで、国家が成立し、文字が出現したのはわずか5400年前のことであり、狩猟採集社会が農耕社会に移行したのもわずか1万1000年前のことである。長大な人類史から考えればこの時間はほんの一瞬にすぎない。では、それ以前の社会、つまり「昨日までの世界」の人類は何をしてきたのだろうか?
領土問題、戦争、子育て、高齢者介護、宗教、多言語教育……人類が数万年にわたり実践してきた問題解決法とは何か?ピュリツァー賞受賞の世界的研究者が、身近なテーマから人類史の壮大な謎を解き明かす。全米大ベストセラーの超話題作、ついに文庫化!」そのエッセンスを紹介しよう。
・ニューギニア高地人は、一、二世代のうちに、 そして空港の出発ロビーにいた多くの人にしてみれば、 その人の一生のあいだに、 読み書きやコンピュータの使い方を覚え、 飛行機まで運航できるようになったのである。実際、 出発ロビーにいた人のなかには、 自分の部族のなかで読み書きを覚えた最初の人間だったという人も いただろう。
・1931年当時の人が腰蓑をつけ、 2006年の人が西洋の衣服をまとっていること以上に、 もっと大きな違いがある。1931年頭には、 大量生産された衣服がなかったばかりでなく、時計や電話、 クレジットカード、コンピュータ、エスカレーター、航空機など、 現在のあらゆる技術がまったく存在しなかった。さらに、文字も、 金属も、貨幣も、学校も、中央政府もなかった。 文字をもたなかった社会が、 ほんとうにわずか一世代で読み書きを習得できるのだろうか、 と疑問に思ったに違いない。
・2006年と1931年の人々の違いは、まだ他にもある。 現代社会ではあたりまえのことだが、 空港の出発ロビーでごったがえしている人のほとんどがそれまで会 ったこともない他人同士だと言うのに、 その場で何の争いも起きていなかった点である。 見知らぬ他人に出会う機会は稀であり、 ひとたび会えばそれは危険を意味し、 いつ暴力沙汰に発展してもおかしくなかった。 世界の大変の人々が数千年かけて辿った変化の過程を、 ニューギニア高地人たちが直近の75年で駆け抜けたためだといえ る。
・ 紀元前9000年ごろにようやくはじまった食糧生産以前には国家 は存在し得ず、その後、 食糧生産が数千年にわたったつづけられて国家政府を必要とす るほどち稠密で膨大な人口が形成されるまで、 国家は存在しなかった。また国家による統制が最近までおよばず、 伝統的で単純な政治体制の下で暮らしていた地域も多い。 本書のテーマは、 このような伝統的社会とわれわれがよく知っている国家社会との違 いを浮き彫りにすることである。
・社会学者がタイムマシンに乗り、 紀元前9000年ごろ以前の世界を調査してみれば、 どこの時代でも、どこにいってもだれもが狩猟採集を生業とし、 小規模血縁集団か、もしかしたらすでに部族社会で生活し、 金属器や文字や中央政府は持っておらず、 経済活動の専門化もしていなかったことがわかるだろう。
・われわれは、移動の自由、 行き来の自由を当然の権利と思っている。 しかし移動の自由という権利は、人類史上、どの時代、 どの場所においても、 ふつうの人が手にするなど不可能な権利だった。 現代でも地球上にはこの権利を手にできない地域が多数存在する。
・小規模社会は、 外界についてかぎられた知識しか有していなかった。 そして多くの小規模社会では、人類学上「ファーストコンタクト」 と称される、 彼らの社会と西洋文明との最初の相互接触によっていきなりその状 況に終止符が打たれたのである。
・ ニューギニア高地人たちは初めてヨーロッパ人という奇妙な外見の 生き物に遭遇したとき、 自分たちの世界観の既知の分類概念に符号させようと、 いくつか自問自答した、この生き物は人間なのだろうか、 なぜここにやってきたのだろうか、 何が目的でここにやってきたのだろうか、という問いだった。 ニューギニア高地人たちは、 奇形が自分たちニューギニア人と似ているこの生き物たちは、 ふだん空の上に住んでいて、自分たちと同じように交易や性行為、 戦争などをおこなっている不死の精霊もしくは先祖の霊であり、 ときおり人間と同じ奇形の赤い人や白い人になって地上に降りてく る、と思ったのである。
いやいや〜そうだったのかー!これ、歴史の教科書にすればいいよね。歴史嫌いがなくなると思う。【下巻】が待ち遠しいっ!超オススメです!(・∀・)