文明崩壊 上: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)
文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)
……うーん……この本はスゴいなあ……うなるなあ……沁みるなあ……。数年前のベスト1に輝いた、ピュリッツァー賞を獲得した『銃・病原菌・鉄』(ジャレド・ダイアモンド)。の続編。これも今年読んだ本のベスト10は間違いなしだなあ……!
本書では、文明崩壊のメカニズムを説き明かす。「世界には、過去、大いに繁栄しながら、その後崩壊してしまった社会の遺跡があちこちに残っている。例えば、イースター島、マヤ文明、北米アナサジ、ノルウェー領グリーンランドなど。著者は実際にこれらの地に赴き、栄華を極めたかつての社会に思いを馳はせながら、なぜ崩壊したのか、その過程を探り、いずれも、同様の道筋をたどっていると指摘する。消えた文明が辿った運命とは。繁栄が環境に与える負荷の恐るべき結末を歴史的事例で検証し文明存続の道を探る。全米ベストセラー」そのエッセンスを紹介しよう。
・ひとたび栄華をきわめた社会が、どうやって崩壊の憂き目を見るに至ったのか?個々の住民はどういう運命をたどったのかーよその地へ移ったのか、(だとすれば)それはなぜか、あるいは、当地で不本意な最期を迎えたのか?わたしたちの属するこの豊かな社会にも、いずれそういう運命が降りかかるのだろうか?今日のわたしたちが鬱蒼たる樹林に覆われたマヤ文明諸都市の古墳を眺めるように、いつか後世の旅人が、ニューヨークの摩天楼の朽ちゆく巨姿に見とれる日がくるのだろうか?
・崩壊を招く5つの要因
環境被害、気候変動、近隣の敵対集団、友好的な取引相手、環境問題への社会の対応
・1入手可能な資源の量が人口増加の速度に追いつけなくなった
2 森林破壊と丘陵地の侵食が及ぼす影響、
3 しだいに減少する資源を巡って、ますます大勢の人間が争い合うようになり、戦闘行為が増加した
4 気候変動
5 諸々の問題がマヤ社会を蝕んでいたのは、どう見えて明らかになのに、まぜマヤの王たち、貴族たちは、それらの問題を認識し解決することができなかった
……イースター島の崩壊は……マヤ文明の崩壊は……深いなあ……そうだったのかあ……。これからもありえるなあ……「なぜ日本社会は崩壊しなかったのか」「アメリカの人口危機ールワンダの大量虐殺」「ひとつの島、ふたつの国民、ふたつの歴史ードミニカ共和国とハイチ」「揺れ動く巨人、中国」など。歴史の教科書にしたいなあ……。超オススメです。(・∀・)