「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「銃・病原菌・鉄 下巻 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎」(ジャレド・ダイアモンド)


文句なし!今年読んだ本のナンバーワンがコレだっ!!!(゜o゜)1998年度ピュリッツァー賞一般ノンフィクション部門樹油症、同年度第六回目の万博記念「コスモス国際賞」受賞。著者は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部教授、ジャレド・ダイアモンド


なぜ世界は、富と権力がかくも不均衡な状態にあるのだろうか。人類はなぜ、それぞれも大陸においてこれほどまでに異なる歴史をたどってきたのだろうか。ダイアモンド博士は人類社会の歴史が大陸ごとに異なる経路をたどった要因と、それらの因果の連鎖を地球規模で科学的に究明し新しい人類史観を示すものとして本書を著した。その下巻のエッセンスを紹介しよう。


・世界には、文字を発達させた民族と、発達させなかった民族とがいる。これほど価値のある文字を、すべての民族が持たなかったのはなぜだろうか。狩猟採集民は、文字を独自に発達させることもなければ、よそで使われていたものを取り入れることもしていない。それはなぜだろうか。


・世界最大の帝国であった南米のインカ帝国は、西暦1520年の時点で文字を持っていなかった。トンガの原始海洋帝国、18世紀後半のハワイ、赤道直下のアフリカなどの地域は、文字を持つようになった社会と同様、そのための必要条件を満たしていた。しかし、なぜか文字はもたなかったのである。


・人の脳の作りに人種間の差異がないとしたら、技術の発展が大陸ごとに異なっていることはどう考えればよいのだろうか


実際の発明の多くは、人間の好奇心の産物であって、何か特定のものを創りだそうとして生み出されたわけではない。発明をどのように応用するかは、発明がなされたあとに考えだされている。飛行機、自動車、内燃機関、電球、蓄音機、トランジスタ半導体)、驚くべきことに、こうしたものは、発明された当時、どういう目的で使ったらいいかがよくわからなかったエジソンが、蓄音機の主要な用途は、音楽の再生にあることをしぶしぶ認めたのは、発明から約20年たってからのことだった。


南北アメリカ大陸にやってきたヨーロッパ人が、当時のアメリカ先住民に対して有利な立場にたてたのは、彼らがつぎの三点において恵まれていたからであるーユーラシア大陸は、南北アメリカ大陸にくらべて、定住生活がずっと早くからはじまっていた。家畜化や栽培化可能な野生植物がずっと多様で、食料生産をより効果的におこなうことができた。地理的障壁や生態的障壁がすくなる、発明や技術がさまざまな地域に伝播しやすかった。そして、南北アメリカ大陸では、不思議なことにある種の発明や技術が不在であった。


・アフリカ大陸の家畜について語る場合、意外なのは、どんな動物が家畜化されているかではなく、どんな動物が家畜化されているかではなく、どんな動物が家畜化されていないかである。たとえば、この大陸に豊富に生息しているシマウマ、ヌー、サイ、カバ、キリン、水牛といった大型動物は、どれ一つとして家畜化されていない。このことは、アフリカの歴史に重大な影響をおよぼしている。その重大さは、アフリカ大陸の亜赤道帯で野生がまったく栽培化されなかった影響の重大さに匹敵する。


・野生生物は従順でなかれば家畜化できない。人間の言うことをきき、餌代に費用がかかりすぎず、病気に強く、成長に時間がかからず、捕獲された状態でも繁殖しやすくなけらば家畜化できない。こうした特性をすべて備えている野生動物は世界に数多く存在しないが、ユーラシア原産の牛、羊、山羊、馬、豚はそのような動物であった。それに反して、アフリカ原産の水牛、シマウマ、カワイノシシ、サイ、カバといった大型動物は、現在に至るまでどれ一つとして家畜化されていない


人類の長い歴史が大陸ごとに異なるのは、それぞれの大陸に移住した人々が生まれつき異なっていたからではなく、それぞれの大陸ごとに環境が異なっていたからである。


その他、オーストラリア大陸はなぜ発展しなかったのか」「中国はいかにして中国になったのか」など。

どのページもぐいぐい読ませる。圧倒的な内容。人類必読!絶対読むべし!!!(・∀・)




こちらの上巻も併せて読もう!

「銃・病原菌・鉄 上巻 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎」
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20130709