私の最も好きな棋士は、永世棋聖であり、将棋連盟会長の米長邦雄氏だ。(^◇^)
その米長邦雄いわく、囲碁・将棋を問わず、理想とする棋士は誰か?と問われたら、迷いなく囲碁の「藤沢秀行」(写真)と答えるという。一番が碁で、二番が酒、三番がギャンブル、それ以外はすべてどうでもよしという生き方に、勝負師の本質を見る思いがする。(^_^;)
その破天荒なエピソードを紹介しよう。
・37歳で名人位に就くまでは真面目を絵に描いたような人物で、対局中に女性の話が出ると「不謹慎だ」と行って激怒したそうな。しかし名人位就任後は、突如として狂ったように『飲む打つ買う』を始め、たちまちアルコール中毒になった。(^_^;)
・毎夜ウイスキーのボトルを二本空け酔いつぶれて眠るのが日課となった。しかしどんなに酒びたりになっても碁の研究だけは忘れなかったし、酒の影響を受けることはなかった。
・毎朝、一人で碁を並べながら、対局者はなぜこんな手を打ったのか?と研究をする。そして疑問な点があるとただちにその手を打った棋士に電話をする。将棋、碁の大局は終わるのが夜中の12時、1時になり、打ち上げの酒を飲んで明け方に帰宅することが多い。その寝入りばなに秀行先生から電話がかかってくるのだ!その時に起きて、『私はこういう考えで打ちました』と対応すれば終わりになる。しかし眠っていて起きない、あるいは居留守を使うとどうなるか!?秀行先生は飛び出してタクシーを拾って相手の自宅に駆けつけるのだ!
『米長はいるか!』 朝っぱらから玄関先からの大声で起こされる!応対に出ればウイスキーをつきあわなければならない…。居留守を使って家の中でじっとしていると、恐ろしいことが起きた…。
『お〇んこー!お〇んこー!米長いるかー!お〇んこー!』 \(◎o◎)/!
したがって、囲碁棋士の間では、どんなに眠くとも腹立たしくとも秀行先生の電話には、すぐに本人が出ることになっている…。ハア〜!\(◎o◎)/!このはちゃめちゃさ!とてつもない人物!
・日本棋院がプロアマ棋士を集めて研修旅行をした際に、秀行先生が酔っ払って、自分の部屋と間違えて女流棋士のたまり場になっていた部屋をあけてしまったときに、『なんだ、この部屋には腐ったお〇んこしかいないじゃないか…』
高齢女流棋士たちは著しく棋士の品格を傷つけたとして、懲罰委員会なるものが設けられ、登院停止三ヶ月という処分が下されそうになった。しかし秀行先生もタダモノではない…。こう反撃した。
『酔っ払っていて、何も覚えていない。私が何を言ったのか、教えてくれ』
これには、女流棋士の誰一人答えられず、とうとう秀行先生は無罪放免となった…。
やっぱり、天才は紙一重なんだね。囲碁に関しては絶対妥協しないその精神がスゴイ!そして『のるか、そるか!』を地で行っているね。でも…はちゃめちゃ!…でも…憎めないねえ…。(^_^;)
藤沢秀行(日本棋院)
http://www.nihonkiin.or.jp/player/htm/ki000005.htm