ワタシが今後生まれ変われることができたら「プロ野球選手」か「将棋の棋譜」と決めている。それくらい将棋が好き。中でも歴代最強の棋士のひとりに数えられる、故・米長邦雄永世棋聖(元将棋連盟会長)。この本は知らなかった!
「プロ棋士とコンピュータの対局が世間の注目を集める中、日本将棋連盟会長の米長邦雄は、当時最強と言われたボンクラーズの対戦相手に自らを指名した。元名人とはいえ引退から8年経った棋士に勝機はあるのか。研究を重ねた米長は、ついに「敵」の弱点を突く秘策を見つける――。棋士対AIの先駆けともいえる大一番の全記録」そのエッセンスを紹介しよう。
・コンピュータとの対局に負けました。 2012年1月14日のこと。私、 米長邦雄が最強のコンピュータ将棋ソフト「ボンクラーズ」 と戦うにあたってどのような対策を立て、どのように指したか、 そして(私自身の戦況判断としては)負けようがない状況から、 たった一手の見落としによって勝利をふいにしてしまった。 そうした将棋のおそろしさについて、書いてみたいと思います。
・また、人間のプロが指す将棋のすばらしさと、 無機質ではあるけれど一秒間に1800万手読むというコンピュー タの計算速度の速さ、圧倒的な棋譜データの量に基づいた強さ。 それぞれの長所と短所について、書きつづってみたい。
・本書の一番の骨子は、後手番の私が一手目に指した、☖ 6二玉の一手にあります。
・私は羽生善治に会い、 もしもどうしてもコンピュータと対局しなければならないとしたら 、どういう条件で、どのように準備するのか。そう尋ねると「 まず、人間と戦うすべての棋戦を欠場します。そして一年かけて、 対戦相手であるコンピュータを研究し、対策を立てます。 自分なりにやるべきことをやったうえで対戦したいと思います」 という、非常に明快な答えをくれたのです。
・ プロ棋士を引退して8年経つ米長邦雄はどれくらいの強さなのか。 どの程度弱くなっているのか。 本番までになんとか力を取り戻さなければならないわけですが、 そのために何をすればよいのかを考えました。 野球に例えるならば、 王貞治や落合博満が再びバッターボックスに立ち、 現役時代の勘を取り戻してヒットやホームランを打てるようにする にはどうしたらいいのか、ということです。
・コンピュータの思考の弱点の中で、現実的につきうるものは、 入玉です。 ボンクラーズは入玉されると人が変わったように弱くなることが知 られています。この弱点をつくことが、私が今回戦う作戦の、 大きなポイントとなるだろうと思いました。
・妻に「私は勝てるだろうか」と質問をしました。妻は「 あなたは勝てません」と断言されました。「 あなたは全盛時代に比べて、欠けているものがある。 あなたはいま、若い愛人がいないはずです。 それでは勝負に勝てません」と言ったのです。 妻が私に伝えたかったのは「 あなたはナーバスになりすぎなんじゃないか。しょせん、 コンピュータ相手の遊びじゃないか。 何をそんなに真剣に思い詰めているのか。 気楽に構えていたほうがいいよ」 というアドバイスだったのではないか、そう考えています。
ワタシも今は勝てないなあ……「愛人がいないから」!(笑)違うかー!(笑)将棋ファンオススメです。(・∀・)