この本は、名著だっ!今年のベスト10入りは間違いない!!令和のいまの時代こそ、全日本人が読むべき本だと思う。感動っ!!!
「空気」の存在に怯えている人は多い。なぜ「空気」は怖いのか?その正体を探っていくと見えてきたのが、崩れかけた「世間」の姿だった……。人気の脚本・演出家が、阿部謹也、山本七平といった先人の仕事を現代に投影させながら、自分の体験や発見を踏まえた会心作!「空気」と「世間」を知り、息苦しい現代日本を生きていくための方法を示す」そのエッセンスを紹介しよう。
・直接、面と向かって「空気を読め」と言われた人は少ないかもしれません。けれど「空気を読もう」と思って、慎重になり、怯え、焦った人は多いと思います。「どうやったら空気を読めるようになるか」を書いた本はたくさんあります。けれど「空気」とは何か、という正体を突き詰めようとした本はそんなにありません。それはまるで、痛みの原因がわからないまま、包帯を巻いたり、痛み止めを飲んだりする対症療法だけを追求し続けることと同じだと思います。「空気」もまた、その正体を知らないまま「読み方」だけを習得しようとしても意味はないと思うのです。
・「空気を読む」ことは、とても難しいことです。だって「空気」は目に見えないし、そもそも私たちは「空気」の中にいるのです。それはまるで、自分が出演している映画に、自分で点数をつけるようなものです。「空気」は、その正体がよく分からないから圧倒的な力を持つのかもしれません。幽霊は、それが何か分からないから怖いのと同じです。「空気」について考え続けているうちに、僕は「世間」との関係に出会いました。この本は「空気」と「世間」の正体をなんとか突き止め「空気」と「世間」に振り回されない方法を探るための本です。簡潔に言えば、僕は「空気」とは「世間」が流動化してものと考えています。それはどういうことで、それが分かったらどうすればいいのか。
・テレビ番組の「空気」とは、司会者である大物芸人が作り、決定するものなのです。逆に言えば、一人の大物芸人がいるからこそ、番組の「空気」は作られるのです。
・TVの10秒は、日常の3分に匹敵します。1分は、日常の20分ほどでしょうか。
・僕なりに阿部謹也さんの言葉を要約するとー。日本の「個人」は「世間」の中に生きる個人であって、西洋的な「個人」など日本には存在しないのです。もちろ、独立した「個人」が構成する「社会」なんてものも、日本にはないんだと言うのです。日本人は「社会」と「世間」を使い分けながら、いわばダブルスタンダード(二重標準)の世界で生きてきたのです。
・「世間」と社会の違いは、「世間」が日本人にとっては変えられないものとされ、所与とされている点である。社会は改革が可能であり、変革しうるものとされているが「世間」を変えるという発想はない。
・「人さまの家を訪ねるのに、手ぶらで行けるか、それなりのものをお持っていかないと」という日本人のルールは、当然、欧米人から理解されません。何かもらったり、されたりしたら、私たち日本人は、お返しをしないと申し訳ない、まずい、世間知らずだと思われる、ムズムズする、生きていけない、というメカニズムを持っています。
・世間のルール1「贈与・互酬の関係」2「長幼の序」3「共通の時間意識」4「差別的で排他的」5「神秘的」
・英語のbrotherやsistarという単語を勉強して、最初に驚くのは、兄とか弟、姉とか妹という関係が分かっても、二人のうちどっちが上かということに関して英語はそんなに関係がないといことです。どちらが年上かということはじつはたいした問題ではないからです。ただ学年がひとつ上だというだけで、どうして尊敬しなければいけないのか。尊敬というのは、強制されるものではなく、素晴らしい人を見て自然に心の中から湧き上がってくるものです。「先輩の言うことには従うしかない」というのは、欧米では翻訳不可能です。
・僕は「〜させていただきます」と連発すればするほど、言ってる本人は息苦しくなっているとしか思えないのです。仮面のように張り付いた笑顔がその証拠です。サイボーグのような建前の顔になっていくのです。
「席取りするおばさんの「世間」と「社会」」「阿部謹也の語った「世間」」など。そーそー!そのとおり、そうだったのかあ!と共感することばかり。これは名著だなあ。胸のつかえが取れるカンジがする本。日本人と日本人を理解したい外国人必読っ!超オススメです。読むべし!!!(^^)