将棋が好きである。プロ棋士の生き様に憧れる。中でも大好きなのが元将棋連盟会長の米長邦雄氏。そして名曲「おゆき」で有名な内藤國雄氏。
「東の米長、西の内藤、将棋界に2人のクニオあり――棋界内外での幅広い活躍、無類の人気と多才ぶりを誇る棋界の重鎮初の対談録。勝負の世界の今昔、希代の棋士たちの盤外戦術から、互いの人生観、モテ方のコツまでを縦横無尽に語り合う。才能と努力・運の関係、「勝負に辛い」先輩棋士の思い出、ファンを魅了した名対局の裏話、「大器」の見分け方、60歳を越えてどう生きるか、将棋の普及と棋界の展望……独特のユーモアと「勝負師」としての素顔がのぞく、吟醸のエピソードと本音が満載の1冊」そのエッセンスを紹介しよう。
・(米長)「謙虚さっていうのは大切でね。人間、 幸せになるにはまず運がよくなければいけないんだけど、 その運を呼び込むために必要なのが、「謙虚さ」と「笑い」、 この二つなんだね。
・(内藤)「どの世界でも、トップになるには才能と努力と運、 この三拍子がそろわんとまず無理やと思う」
・(米長)「ぼくが思うに、才能っていうのは、努力に勝るもの、 むしろ「努力しない」ということなんだ。将棋の世界でも、 棋士はみな将棋が好きだから強くなるんですよ。もちろん、 一生懸命やっているけど、好きでやっているいわば「遊び」 なんです。「好きこそものの上手なれ」というけど、才能= 遊びなんだね。一方、努力とは、 ある目標のために嫌なことを一生懸命にやること。 努力しだけしても結局だめなんだよね。よく「才能がなければ、 努力しろ」って言うけれども、そうではない。才能は「好き」 ということなんです」
・(内藤)「天才とは、サービス精神である」たとえば、 伊藤看寿の詰将棋。あの詰将棋はサービス精神ですよ。 どうやって将棋ファンを楽しませてやろうか。これでもか、 これでもかという思いが伝わってくる。 そして詰ました後の感じのよさ、開放感。 あれはまさにサービス精神です。
・(米長)将棋も男と女の関係も、一対一の真剣勝負。 男と女の関係で一番大事なのは、別れるときに、 最後のひと言なにを言うか、これに尽きる。勝てばいいとか、 一局終わったら用がないという態度は問題外。 次回につながる美しい投了図、 指了図をつくることができるかどうか、 それがもてる男ともてない男の決定的な違いだろうと思うんです。
・(米長)ぼくは、人間には「分」 というものがあると思っているんですよ。収入も、名誉も、 女性も……とすべてを求めてはだめだ、と思っている。 だからなにかをはじめるときには、 必ず一番目か二番目のものを捨てることにしているんです。
・(内藤)関西では、現役のまま亡くなった棋士が多いんです。 一方で、長生きしている人は、引退が早い。そこは、 はっきり差が出ている。つまり、 将棋は趣味で楽しむのならいいけれども、 プロ棋士という職業は体に悪いんだ。勝てばいいが、 対局に負けるのはしんどいんですよ。食べ物はまずくなるしね。
いいなあ…。勝負師って憧れるなあ。将棋も久しぶりに指したくなったなあ。オススメです。(・∀・)