オフコースの小田和正さんの地元、金沢文庫に住んで30年。すずらん通りにある小田薬局が小田さんの実家だ。ファン歴47年。はじめてオフコースの歌を聞いた衝撃はいまだもはっきり覚えている。
中一のときの初恋。そのころ流れているた『秋の気配』。「港が見下ろせる小高い公園」というのが「港の見える丘公園」だということとあとで知った。あの頃、ワタシはオフコースの素晴らしさを友人に話しまくり、カセットテープを貸し出して、共感を得ようとしたが、誰も理解しなかった。
ワタシはといえば、さかのぼってバックナンバーを聴きまくり『眠れぬ夜』『めぐる季節』『ひとりで生きてゆければ』『忘れ雪』『僕の贈りもの』『群衆の中で』などに感動しまっくっていた……。その数年後「愛を止めないで」のヒットで知られるように、一般に評価され、『さよなら』でとうとう大ブレイクする!!!
さてこの本。ワタシと同い年の著者は、ワタシと同じ道をたどっているんだなあ……と自分ごとのように感動しながら読みました。
「円熟期を迎えてなお精神の若さをみなぎらせてファンの心をはなさない小田の人間性、音楽観、歌うことの責任感、ファンへの思いとファンとの一体感、高音が冴え渡る歌声……それらを解析して従来とはひと味違う新しい視点でつづる熱烈ラブレター」そのエッセンスを紹介しよう。
・高校時代、はじめて友達になったのがKくんだった。 彼はオフコースの熱狂的なファンで、 わたしにオフコースがいかに魅力的で、 何がどうすごいかなどをいつも話してくれた。 彼といると毎日がプレゼンの洪水だった。
・わたしは当時ギターを持っていって、 昼休みや放課後になると弾いて遊んでいた。 アリスや甲斐バンドなんかを弾いていた記憶がある。 特にアリスはコードを三つだけ知っていれば弾ける曲が多かったの で、へたなわたしにはちょうどよかった。 Kくんがオフコースの楽譜を置いてくれた。えっと、なになに? うおっ、なんだこの複雑なコード進行は。 コード三つだけで弾けないじゃないか。 そのときからわたしのなかでオフコースといえば難易度が高いアー ティストという認識に変わった。
・ずいぶん時が流れた。小田さんも歳を重ねた。わたしはいま、 小田さんの歌の前ではなぜか心が無防備になり、 涙が止まらなくなる。 どうしてこんなにも涙があふれるのだろうと思う。高校時代、 まさか自分が四十代半ばになって、 こんなにもだれかの歌を聴いて泣くなんて想像もしなかった。 ましてやそれが小田さんだとは。
・すごい。 すごいという言葉が陳腐に思えるほど小田さんの挑戦する姿はすご すぎる。だれかすごいの最上級の言葉を教えてほしい。 小田さんはずっとわたしの心の支えになり励みになっている。 これからも小田さんに助けられて生きていくと思う。 小田さんのような歳のとり方をしてみたい。 小田さんのような生き方をしてみたい。 いっそ小田さんになりたい。大切な人だからこそ、 小田さんにラヴレターを書こうと思う。 男が男にラヴレターって変だけど、 小田さんへの感謝の気持ちや感動したことなどを素直に言葉にした いと思うのだ。
いいなあ。小田さん、いいなあ。久しぶりにオフコースを聴きたくなりました。超オススメです。(^^)