「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「不運のすすめ」(米長邦雄)

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不運のすすめ (角川oneテーマ21)

不運のすすめ (角川oneテーマ21)

 

 数年経って、2020年のこの「新型コロナウィルス」の騒ぎを振り返ったとき、あのときは大変だったなあ……。苦労したなあ……。あそこから時代が変わったんだなあ……。と笑って振り返れる気がする。(・∀・)

 

そんな時にこの本に出会った。米長邦雄永世棋聖の本。「不運」と「幸運」は、まさに表裏一体の関係にある。「幸運」だけでは人生は勝てない。そのエッセンスを紹介しよう。

 
・かねて私は、人間が落ち目になった時、スランプに陥った時、すなわち「不運」の時にどうするかに、非常に興味を持っていた。勝負事でも人生でも、ツイてる時に勝つことよりも、苦しい時にいかに粘るかのほうが大事だと思うからである。
 
即効性のあるスランプの特効薬は「笑い」である。極意ともいえる。好きなことを思い切りやって、腹の底から笑い、頭の中をからっぽにすると、すっきりとした明るい気分になり、スランプであること自体を忘れてしまうものである。
 
・若い頃、百手以上の詰将棋を一時間二時間かけて解いたことがある。米長は天才だと言われた。それをコンピュータは一秒で解く。天才の一時間とコンピュータの一秒が同じなのだ。詰め将は数学の問題を解くのに似ている。計算とスピードがものを言う世界である。それこどコンピュータが最も得意とするところで、アナログである人間の頭では、終盤はまったくコンピュータに太刀打ちできないのである。
 
・しかし将棋は中盤戦が長い。押したり引いたりの駆け引きはプロの強さでもある。この中盤に、コンピュータソフトの弱点がある。それは中盤戦は記憶力や計算だけでは正しい一手が得られない、あるいは存在しない世界だからである。何十手にもわたって双方がもごもご出たり入ったりを繰り返す。この「もごもご」がコンピュータは苦手なのである。苦手というよりわからない。過去のデータから導き出せない微妙な手は、コンピュータはどう対応していいのかわからなくなってしまう。突然閃くこともある。この直感こそが、アナログである人間にしか生み出せないものなのだ。つまり中盤では、人間のほうがはるかに強いのである。
 
運のいい時というのは、満開の桜のようなもの美しく華やかで人目を惹く。一方、不運に見舞われ、不遇をかこっている時は、桜の木が土の中に根付こうとしている時期である。しっかりと根を張った桜は、やがて芽を出し、驚くほど豊かな花を咲かせる。不運とは、幸福の根源にほかならないのである。
 

なるほど!説得力があるっ!この時期に米長さんの本、読み返したい。オススメです!(・∀・)

 

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不運のすすめ (角川oneテーマ21)

不運のすすめ (角川oneテーマ21)