「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「将棋名勝負の全秘話全実話」(山田史生)

 


将棋名勝負の全秘話全実話 (講談社プラスアルファ文庫)


昨年からテレビを賑わしている元棋士加藤一二三九段。「ひふみん」とか呼ばれているけど、若い人は加藤一二三がどれだけスゴい棋士だったか知らないだろうなあ…。なにしろ「神武以来の天才」だからねえ。(・∀・)


「名勝負の裏にドラマあり。観戦記者だから書けたいい話!名人戦十段戦竜王戦王位戦棋聖戦棋王戦、王座戦王将戦…。四半世紀にわたり数々の名勝負を盤側で見続けてきた将棋観戦記者だからこそ書ける、名勝負にまつわるちょっといい話大山、升田、中原、米長、加藤、谷川、羽生、佐藤、藤井、小池、大田、加賀ほか、プロ・アマを問わず数多くの棋士との公私にわたるつきあいのなかからわかった、対局だけでは知ることのできない棋士たちの人間味あふれる素顔にも迫る」その中のエッセンスを紹介しよう。


・(羽生善治)十代前半から二十代前半までは修行の期間ですからね。その段階での春時代は、ないに等しかったです。そこを犠牲にしないとプロになれないということでもありますから。中学三年で棋士(四段)になりましたから、同級生が遊んでいるのに、なぜ自分だけ働いているのかなと、疑問に思ったこともありましたけど……。

対局そのものが自分の選んだ道ですから。それは苦労とは言えば苦労でしょうか。でも自分の選んだ道ですから。それは苦労とは言わないんでしょうね。将棋をやめようと思ったことはありませんが、間違いをしたときなど、自分が嫌になるということはありますね。


【相手の反則負けを誘う “ 名人 ” 】


棋士の間で「反則負け王」として知られているのが淡路仁茂九段。過去8回やっている。「前の駒を飛び越して相手陣に成り込む」「二手指し」など。相手を詰めにいき、桂馬を打ったのはよいが、裏向きに打ってしまい負けとされた例(北村昌男九段)などもある。終盤は何が起こるかわからない。「極端な話、相手が急に心臓マヒを起こす可能性さえあるだろうから、どんな将棋でも、最後の最後まで指します」という棋士もいる。


反則負けで多いのは、やはり「二歩」大山康晴十五世名人、中原誠永世十段青野照市九段ら、冷静に見える棋士でも、二歩負けが何回かある。王手を気づかず王を取られてしまうケースも稀にある。対局場所を東京と大阪とを間違えたり、対局日を一日間違えて不戦負けになるケースも、二、三年に一度ぐらいある。一番ばかばかしいのは、先手後手を間違え、後手の棋士が先に指してしまったため一手で反則負け、というケースだろう。三、四年に一度ぐらいは起こる。


関西の棋士の某七段は、一手で相手を負かす技を使うというものである。振り駒をして自分が先手になった場合、なかなか指さず、あたかも自分が後手番であるという雰囲気を作り出すのだそうだ。力を抜き、隣の棋士と話をしたりして指すそぶりを見せないので、相手は自分が先手だったかと錯覚して、ふらふらと指してしまうというものである。某七段はこれで過去四勝をあげている、とのことだが、噂話なので確認はしていない


「谷川兄弟の運命を決めた内藤九段の四十面指し」「一敗一勝より一勝一敗に価値がある指導将棋」など。


折しも羽生善治永世七冠国民栄誉賞が決まったよね。おめでとうございます!ああ〜将棋が指したい!誰か勝負してくれ〜!オススメです。


 


将棋名勝負の全秘話全実話 (講談社プラスアルファ文庫)