「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「10秒の壁 「人類最速」をめぐる百年の物語」(小川勝)

 


10秒の壁―「人類最速」をめぐる百年の物語 (集英社新書)


昨年、男子100mの桐生祥秀選手が日本人初の9秒台を出したよね。ついに来たよねー!\(^o^)/!


陸上競技100m。かつて、この種目で「10秒」を突破することは世界中の夢であり目標だった。では、10秒の壁は、いかにして破られたのか。そこには、天才アスリートの出現、テクノロジーの進歩、競技環境の変化など、様々な要素が存在した。そして、時代背景に翻弄され、「記録」に残らなかった意外な事実も隠されている。本書は、一瞬の勝負の裏に潜む幾多のドラマを発掘するとともに、この先、「人種最速」はどのレベルまで進化するのかを考察する」そのエッセンスを紹介しよう。


・スポーツにおいて、もっともよく知られている「記録の壁」は、陸上競技男子100mの「10秒00」 だろう。この壁は、1968年6月20日カリフォルニア州サクラメントで行われた全米陸上選手権で、ジム・ハインズ(当時21歳)によって突破された。人類の夢の記録“100m9秒9”がついに生まれた。1960年に“稲妻の閃光”と言われるハリー(西独)が10秒0をマークして以来、実に8年ぶりに世界記録が誕生、正規の記録9秒9のアナウンスが聞かれた。


・この「100m10秒の壁」をめぐる物語を詳しくみていくと、スポーツの「記録の壁」にまつわる一つの典型的なストーリーを、われわれは知ることになる。そこでは「一番乗り」を目指すアスリートたちの挑戦はもちろんのこと、ルールの変更、計時の技術的進歩など、競技を支える舞台裏のストーリーも、同時に進行していくのである。


・「「9秒50」を可能にする究極の条件とは?」


パウエル(190cm)よりさらに背が高く、平均235cmというストライドを無理なく出せる選手ということになるだろう。そのヒントを与えてくれる選手は、2008年現在、主に200mで活躍しているウサイン・ボルト(ジャマイカだ。ボルトは、身長196cm、現役のトップスプリンターでは飛び抜けて背が高い。200mでは、2007年6月に20歳10ヶ月で歴代9位の19秒75を記録しており、同年の大阪世界選手権では銀メダルを獲得している。ところが、100mのベスト記録は10秒03(2007年時点)にとどまっている。


やはりこれだけ体が大きいと、スタートの姿勢から上体を起こしてトップスピードい乗るまでに、時間がかかるのだろう。ボルトにとって100mは少し「短すぎる」のである。ボルトの身長であれば、平均235cmのストライドは可能なはずだ。それでいて、パウエルのように、1秒間の平均ピッチ4.47歩という動きのできる選手ーそういう選手が出てくれば、9秒50に迫る可能性を秘めている、ということになるのだろう。


「世界と戦った選手」を「世界大会のファイナリスト候補」というふうに考えるなら、日本の100mの歴史は、次の5人に集約することができる。戦前の吉岡隆徳、戦後の飯島秀雄朝原宣治伊東浩司、そして末續慎吾である


その他、「100ヤード→100Mへの変更」「クラウチング・スタートとスパイクシューズ」「不正出発発見装置」「高速トラックとオーダーメイド・スパイク」「100mの世界記録を出した最後の白人選手」「手動計時から電動計時へ」「高地記録は、真の世界記録なのか?」「なぜ水泳は世界記録が続々と誕生しているのか?」など。


この本が書かれたのは2008年6月。スゴいのはボルトの世界新記録を予測していることだ!スゴい!!!記録はどこまで伸びるかねー!オススメです。


 


10秒の壁―「人類最速」をめぐる百年の物語 (集英社新書)