ウチの新しいオフィスのすぐそばにある「ソートービル(曹洞宗檀信徒会館)」この本の著者は、曹洞宗の僧侶・板橋興宗氏。縁があるなあ!
「現代人は、楽や欲を追求するあまり、人間としての自分を見失いがちである。豊かな社会とは裏ハラな、社会問題が発生しているのをみてもわかる。本書によって、人間として忘れていたもの、忘れてはならないものを、多く知らされる。ビジネスや人生での座右の書といえる」そのエッセンスを紹介しよう。
・“株”を専門にしている古老は、こう話してくれた。「株は絶対に儲かるようになっている。欲さえださなかったら、損をするはずがない、この宇宙には、自分の欲望や意思では、どうにもならない大きな自然の動きがある。胎児のように、無心無欲になると、細胞がチャンスを与えてくれる。自然が味方して、もうけさせてくれる」たとえば宴会にでた時、これから盛り上がってドンチャン騒ぎになりそうな頃合いをみはからって「どうぞゆっくり、お先に失礼いたします」といって引き上げる潮どきが、株のひけつに通じるといっておられる。
・弓の名人は、「的をねらってはいけない。的をジーっと見つめて、的が自分になるまで心を澄ます。そうすれば当てようと思わなくても、的の方から当たってくる」という。
・「妻をもらうことは、口答えも一緒にもらうことだ」(シェイクスピア)人を採用したら、不平不満も一緒に採用したものと、はじめから覚悟していればよい。クセや欠点があるから人間なのだ。長所とか短所というものも人の勝手な評価であって、本人自身にはごくあたりまえのことである。
・世の中には気に入らない人や、欠点のある人がいるので調和もあり、進歩もある。羊羹やおしるこも砂糖ばかりだったら、おいしくない。適当な塩味がきいてこそ、ほんとうの甘みがでる。どうしても好きになれない人がいたら、その人を塩味と思ったらどうだろう。台所に張り付けた夫の子供の長所のそばに「塩味さん」と、書き添えてみたらどうだろう。世の中が急に明るく、広くなるにちがいない。枯木でさえ、山のにぎわいである。この世の中にには、いなくてもよい人は一人もいない。自分の心を狭くしているばかりに世間を息苦しく、そして暗くしている。
・ギリシャの神話にこんな話がある。「お前さんの望みは何でもかなえてやる」「それでは、私の触れる物は何でも金にして下さい」。望みどおりに、触れるものがすべて金になったので喜んだ。ところが、食べ物に手を触れると、それも金になってしまう。とうとう飢えで死にそうになったので、「お願いを取り消して下さい」と頼んだという。足ることを知ることこそ、幸せを実感する根本である。
そおかあ……「塩味」さんは、私のそばにはいないなあ…!?オススメです。(・∀・)