「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「はじめての不倫学「社会問題」として考える」(坂詰真吾)

 


はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)


この本を手に取るのは気が引ける人もいるだろう。ということで私が代読してあげましたよー!(笑)(・∀・)

「不倫学」って……そんな学問があったのかーー!?(・o・)!?

不倫人口「500万人」の現実。史上、最も「アレ」をしやすい現代社会を終わらせるためのサバイバルガイド!」そのエッセンスを紹介しよう。


・不倫は、成育環境・年齢・性別・学歴・職業を問わず誰にでも起こり得ることだが、不倫をしない人に比べて不倫をしやすい人にはある一定の傾向がみられることは明らかだ。通俗心理学の世界では、男性の場合は好奇心が強く、芸術性や創造性を高く持ち、柔軟で型にはまらない思考をする知的な性格の傾向が強いほど不倫をする確立が高いとされている。アーティストや俳優、会社役員や経営者に不倫経験者が多いのは、こうした性格的側面が作用しているからだ、と捉えることもできる。


・一方、女性の場合は、努力する意志や几帳面さに欠け、計画的に物事を勧めることができない、誠実性が低い人ほど不倫をする可能性が高いとされている。男女ともに、自己愛の強いナルシストの人ほど不倫の可能性が高まる、とする見方もある。


一般に男性の不倫は「相手ありき」というよりも「まず性欲ありき」で、何らかの誘惑やきっかけがあり、タイミングが合えば、簡単に不倫に踏み出しやすい。一方、女性の不倫は、「まず性欲ありき」ではなく「相手ありき」で、自分の性欲ではなく、相手との関係性によって、不倫に対するモチベーションが変化する傾向がある。


不倫には中毒性がある。アルコールやタバコ、DVやストーキングと同じで、不倫は常習化しやすい。セックスの快楽は「落差」に比例する、落差が大きければ大きいほど、快楽は高まる。不倫相手との初めてのセックスは、配偶者以外の相手という落差、セックスレスだった倍は時間的な落差、いつものと違う肉体・感触・匂い・空間という落差・タブー破りという精神的な落差など、複数の落差の相乗効果によって背徳感と高揚感が高まるため、通常の性行為よりも圧倒的に強度が増す


また一度不倫を経験してしまうと、その後の人生は既婚者が恋愛対象に入るようになってしまう。既婚者を誘うこと、既婚者から誘われることに抵抗がなくなる。いったんこうした不倫体質になってしまうと、元に戻すことは難しい。


「浮気は男の悲鳴」である。不倫は身体的欲求=性欲だけではなく、孤独感や不全感、プライドの埋め合わせなどの様々な精神的欲求が複雑に絡み合って生じる。アルコールやギャンブルへの依存と同様、不倫をすることで身体と精神の安定をどうにか保っている場合、「不倫をやめる=人間をやめる」になってしまう。むしろ不倫を始めたことで、身体的・精神的な安定を得ることができ、夫婦関係や結婚生活が安定し、精神科やカウンセラーの元に通わなくても済むようになった、という報告はたくさんある。


・不倫の問題は個人の道徳の問題、意志の弱さの問題として片付けられるほど単純ではない。いけないことだと知りながら、それでも人が不倫へと吸引されてしまう背景には、生物学的にも、歴史的にも、文化的にも、それなりに正当な理由がある。人間は、男女を問わず、生物学的にも、心理学的にも、社会的にも、複数の相手と性交をすることができ、さらに複数の相手と愛し合うこともできてしまう生き物なのだ。そして現行の一夫一婦制は構造上の欠陥を抱えている


いったん不倫ウィルスに感染してしまった以上、以前と同じ健康体に戻れない。だとすれば、罪悪感に押し潰されたり、自暴自棄になるのではなく、消えない心の痛みや、治らない傷、埋まらない穴、モヤモヤした不全感を抱えたままで、それでもどうにか日々を過ごしていくための方法を模索するべきだろう。それが「生きる」ということなのではないだろうか。


「結婚をしたために、悩むことも多い。けれども結婚というものがないなら、人間はさらにもっと悩まなければならないだろう」(T・H・ヴァン・デ・ヴェルデ『完全なる結婚』)


特に、「不倫を予防するためのワクチンの作り方」「夫婦関係を壊さない婚外セックス」は印象的だなあ。オススメです。


 


はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)