「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱」(坂爪真吾)

  


セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書)


このタイトルもスゴイけど、中身もスゴイよー!(・o・)!なかなか手に取れない内容だよー!

東京大学在学中に、上野千鶴子ゼミに所属した著者は、性風俗産業に関わる人々を取材し、その問題点に気づく。大学を卒業後、誰もが安全な性サービスを受けられるインフラ作り―新しい「性の公共」を求めて、障害者への射精介助を行なう非営利組織「ホワイトハンズ」を起業する。物議を醸した「処女童貞卒業合宿」などをめぐって警察や行政と激しいバトルを繰り広げながら、それでもなお精力的に活動を続ける理由とは―。その尋常ならざる情熱を初めて綴る奮闘記」そのエッセンスを紹介しよう。


・私は、一般社団法人ホワイトハンズ代表理事の坂爪です。私たちは、障害者に対する性的な面での支援・ケアサービスを提供している日本で唯一の非営利組織です。2008年に新潟市で創業して依頼、現在、全国18都道府県でケアサービスを提供しています。


・私たちのサービス「射精介助」は、「自力での射精行為が物理的に困難な男性身体障害者に対して本人の性に関する尊厳と自立の保護、そして性機能の健康管理を目的として、介護用手袋を着用したスタッフの手を用いて、射精の介助を行うサービス」て意義しております。つまり目的は「障害者の性欲の処理」「障害者のセックスの相手をすること」ではなく、「性機能の健康管理を通した、障害者のQOL(Quality of life)の向上」なのです。


・批判には「外在的批判」「内在的批判」の2種類があります。相手の立場や目的を理解した上で、その実現をサポートするための建設的な批判をすることを「内在的」、相手の立場や目的に沿わない批判、「ないものねだり」「揚げ足取り」を「外在的」といいます。この区別を学んでいたおかげで外野から何を言われようが、全く動じなくなりました。


東京大学のゼミで機械仕掛けの『歌舞伎町の女王』」新宿・歌舞伎町、渋谷、池袋などの繁華街にある風俗店の利用者・女性従業員・経営者を取材し、性風俗業界の構造や問題点を明らかにする、という内容でした。「ひんしゅくは、金を出してでも買え」と言いますが、風俗嬢にインタビューするためにその都度お金を払って入店していたので、総額で30万円近い費用がかかりました。貧乏学生には、極めて過酷な取材でした。


・研究調査の過程で、私が発見したことは以下の4つ。

1 性風俗サービス=「ジャンクフード」である。「美味しいけど不健康」「素材の産地が不明」「中毒の危険がある」

2 「本来、働くべきではない人が、働いている世界」である。

3 「本来、利用するべきではない人が、利用している世界」である。

4 「美女のインフレ」が吹き荒れる世界


今の社会には、性に関するサービスが、性風俗しかなからです。行政に、医療にも、福祉にも、性に関する問題を相談、解決できるサービスがなく、悩みを抱えている側にも「自分の悩みが何なのか」を理解するだけの知識と経験がないため、性に関するあらゆるニーズ・悩み・問題が、性風俗の世界に、集中して持ち込まれてしまうのです。しかし、性に関する問題は、性風俗で解決できる問題と、そうでない問題があります。そしてほとんどの問題は、後者です。


・まとめると、性風俗は、利用者のみならず、風俗嬢や経営者を含め、「関わった人全員が、もれなく不幸になるシステム」としか思えませんでした。この不幸をなくすためには、これまで性サービスの世界には存在しなかった「社会性」「倫理・衛生管理の基準」といった明確なルールを導入し、全ての人が毎日の暮らしの中で、安心して利用し、働くことのできるサービスとして、生まれ変わらせるべきでは無いだろうか?それが実現できれば、性風俗の世界を「関わった人全員がもれなく幸せにできるシステム」へと逆転させることが出来るのでは?という「性産業の社会化」仮設が思い浮かびました。


性風俗業界を調査すればするほど、「フーゾクって、どうしてこんなにクレイジーな世界なの?」という疑問が出てきます。違法行為の蔓延、匿名主義、人権侵害、劣悪な労働環境、経営における長期的視野の欠如、従業員のモラルの低さ…などなど、キリがありません。その答えは「社会に適応できない人や、心を病んでいる人を『客』もしくは『従業員』さらに『経営者』という形で惹きつけ、その人たちをカモにすることによって効率的に金が循環するように、入念に設計されたシステムだから」になります。


この罪深いシステムを『無罪』のシステムに変えてやろうじゃないか!ということで英語で「無罪」=「ホワイトハンズ」の性サービスを構想しました。


「射精介助、始めました」「新しい性の公共を作る」「あなたのセックスが社会を変える」など。


勇気ある行動はオンリーワンだよね。興味ある方は読んで見て下さい。オススメです。(・∀・)


  


セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書)