新聞の書評で知った本。スゴイ本だ。「いじめられ不登校になった少年を支えたのは俳句だった…。「朝日俳壇」で話題を呼んだ天才少年が紡ぎ出す、優しくて残酷な世界」そのエッセンスを紹介しよう。
「俳句への挑戦」
この日本には、いじめられている人がたくさんいる。僕もその中の一人だ。危険ないじめを受けるたびに、不登校になってしまった。そんな時、毎日のように野山に出て、俳句を作った。
「冬蜘蛛が糸にからまる受難かな」
これは僕が八歳の時の句だ。
「紅葉で神が染めたる天地かな」
この句は、僕のお気に入りだ。
僕は、学校に行きたいけど行けない状況の中で家にいて安らぎの時間を過ごす間に、たくさんの俳句を詠んだ。
僕を支えてくれたのは俳句だった。不登校は無駄ではなかったのだ。いじめから自分を遠ざけた時期にできた句は、三百句を超えている。今、僕は、俳句があるから、いじめと闘えている。
小林凛
いじめ受け土手の蒲公英一人つむ
いじめ受け春も暮れゆく涙かな
いじめられ行きたし行けぬ春の雨
春の虫踏むなせっかく生きてきた
虫捕れば手の甲春が叩きけり
春嵐賢治のコートなびかせて
抜け殻や声なき蝉の贈りもの
おお蟻よお前の国いじめなし
成虫になれず無念のかぶと虫
ススキのほ百尾のきつねかくれてる
スゴイ感性だ…。絶句…。俳句の、言葉のチカラってスゴイねえ。オススメです。(・ω<)