「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ADHD のび太・ジャイアン症候群 ADHDとのじょうずなつきあい方がわかる」(司馬理英子)

タイトルがいいねえ〜!わかりやすくイメージしやすいねえ!この本でドラえもん』という作品のイメージがガラッと変わるわー!(・∀・)


「1997年の発売以来、今日まで、シリーズ5冊で35万部超も売れたロング&ベストセラーこの本で学んだ対応を実践すれば、ADHDの子どもとの関係がよくなる、親も子も幸せになる、そしてその結果子どもの能力も伸ばせる、などいい効果がいっぱい期待できる」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
のび太はグズでのろまだから、いじめられてもしょうがないのだ」「ジャイアンは、乱暴ないじめっ子なのだ。変えることはできない」ほんとうにそうなのでしょうか?正反対の性格を持つのび太ジャイアンは、ADHD(注意欠陥/多動性障害)という症候群の二つのタイプのモデルと考えることができます。
 
ADHDでは、脳の細胞どうしの連絡に必要な神経伝達物質ドパミンノルアドレナリンなど)の量がアンバランスになっています。そのために行動や感情をうまく抑制できないのです。家の中の電気の配線はうまくできていて、照明器具は壊れていないのに、接触が悪くて、ある部屋では電気がついたりつかなかったりすると考えてよいでしょう。
 
ADHDの主な症状は、落ち着きがない、飽きっぽい、順番を守れない、人から言われたことをするのが苦手、すぐ気が散る、静かに遊べない、非情におしゃべり、人の邪魔をする、などです。子どもの場合は、こうしたことが同年齢の子に比べて著しくしかも頻繁に見られ、年齢のわりに幼く見えますそしてこれが学校や家庭で問題となるのです。
 
・彼らは、特殊な時間の感覚を持っているかのようです。つまらないと感じる活動をしているときには、心の時計はとてつもなくゆっくりと過ぎていきます5分が1時間にも感じられます。その時間を耐えがたいほどの長く感じます。逆に、好きなことをしているときには、1時間が5分にしか感じられません。そこでもっとやりたい、とことん楽しみたいと感じます。
 
・衝動的で、学校では集中力がなく、落ち着きのない、感情の起伏の激しい古典的なADHDを持つジャイアンのようなタイプ(多動ー衝動性優勢型)を本書ではADHDの「ジャイアン型」と名付けます。一方、のび太は気が散りやすく、とっさのときの行動ができない、忍耐心に乏しく、じっくりがんばれずに、はじめからだめだとあきらめてしまう。何か思いつくと、いても立ってもいれらなくなる。宿題を忘れる、過敏で傷つきやすい、困ったことの原因を冷静に考えられず、すぐ他人のせいにする。授業中でも、宿題をやっているといも、ぼんやり空想にふけっている。けれども人の気持ちがよくわかり、やさしい心にあふれています。不注意優勢型のADHDのタイプを「のび太型」としましょう。
 
・しかし、彼らの突発的、衝動的な脳の回路は、既成の概念や様式にとらわれないがゆえに、そこからはずれて予想もつかないひらめき、だれも思いつかなかった仮説、発想の転換といったスパークを放つこともできるのです。従来のやり方や制度や様式に満足できないがゆえに、新しい概念を作り出し、手法をあみ出した人もいました。こうした人々が歴史、科学、芸術に大きな貢献をしてきたことを知っておかなければならないでしょう。坂本龍馬モーツァルトベンジャミン・フランクリンレオナルド・ダ・ヴィンチなどにもADHDの特徴がうかがわれます。
 
藤子・F・不二雄が、のび太のような少年だった体験から書き続けた漫画の中にはドラえもんになるヒント」が隠されています。いじめられたり学校がつまらないと思ったりしている多くののび太たちが、どうすれば生き生きと楽しく過ごせるようになるかを、彼はドラえもんとそのポケットを通して私たちに教え続けてきたお言えます。「心のどこでもドア」をあけて、ドラえもんになる方法をさがし出しましょう。そして「ママ(パパ)ドラえもんのび太の、新しい日本誕生」というストーリーを、いっしょに楽しんでほしいものです。そうすれば、いつしか子どもたちは自分の心の中に、強い味方、ドラえもんをつくり出し、一体になって生きていくことでしょう。
 
 
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ラストのメッセージドラえもんはどこに?」はグッと胸に響くっ!性の多様化同様、「脳のOSの多様化」を受け入れる時代になってきたね。オススメです。(・∀・)