「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「日本史の謎は「地形」で解ける 文明・文化篇」(竹村公太郎)


スゴイっ!オモシロイ!今までにない手応え!今年読んだ本のベスト3に入る本だ!(・∀・) 今までにない切り口の着眼点はまさに目からウロコ!そのエッセンスを紹介しよう。


文明は、下部構造と上部構造で構成されている。文明の下部構造は、上部構造を支えている。その下部構造は、地形と気象に立脚している。下部構造は、「安全」「食料」「エネルギー」「交流」とう4つの機能で構成されている。


アフリカは奴隷の宝庫であった。奴隷だけではない。アフリカには象牙があった。金もあった。ダイヤモンドがあった。東南アジアでは、ゴムの木が茂り、綿花や紅茶や香料のプランテーションに適した土地があり、さらに鉱物資源も産出され、20世紀には石油まで発見された。しかし、日本列島には象牙も、ダイヤモンドも、金も、ゴムの木もなかった。さらに、高い教育を受けた好奇心旺盛な人々はいたが、奴隷にする人々はいなかったし、アヘンを売り付ける人々もいなかった、しかし、この日本列島には、欧米人を恐怖させる自然、災害、地震が嫌というほどあったのだ。日本列島の70%の山々と10%の湿地帯が、欧米列国が得意な騎馬軍団の登場を許さなかった。欧米人の欲望をそそらない日本列島。欧米人の恐怖をかき立てる災害列島の気象や地形の自然が、欧米列国から日本を守ったのであった。


日本人は細工することと縮めることが、本当に好きだ。丸い団扇を扇子に、長い傘を折りたたみの傘に、ステレオをウォークマンに、大きいコンピュータを電卓に、大自然を庭の中に縮め込んだ日本庭園、大きな木を縮めた盆栽、四畳半の茶室、テーブルの食事を小さな箱に詰め込んだ幕の内弁当、さらに飯を縮めたおにぎり、詩を短く削って遂に17文字にしてしまった俳句など、挙げ出したらきりがない。なぜ、これほど日本人は物を縮めるのか?


・旅行好きだった日本人が旅をするときには、山々を超え、海峡を渡り、川を横断し、湿地帯を歩いていかなければならなかった。馬や牛を利用したくても、日本列島の地形がそれを許してくれなかった。日本人には荷物を自分で担ぎ、自分の足で歩かなければならなかった。ユーラシア大陸ローマ帝国、中国の秦帝国イスラム帝国の人々は大陸を馬や牛車で疾走していた。日本人だけが、荷物を自分で背負い歩き続けていたのだ。歩く日本人にとって、物を縮め、物を小さくし、物を軽くすることは、何事にも代えがたい価値であった。細工して細かくする。凝縮して小さく詰め込む。細工してないものは「不細工」と非難した。詰め込まないものは「詰まらない奴」と侮蔑した。縮み志向の日本人の謎は解けた。


その他、「なぜ日本は欧米列国の植民地にならなかったのか?」「なぜ、品川〜田町間のトンネルはあんなに天井が低いのか?」「日本人の平均寿命をV字回復させたのは誰か〜命の水道水と大正10年の謎」「なぜ江戸は世界最大の都市になれたか?」「貧しい横浜村がなぜ、近代日本の表玄関になれたか?」「弥生時代のない北海道でいかにして稲作が可能になったのか?」「日本の将棋はなぜ「持駒」を使えるようになったか」「なぜ日本の国旗は「太陽」の図柄になったか?」…など。


これはオモシロイ!実にオモシロイ!今年読んだ本のベスト3に入るねえ。超オススメです。(・∀・)