「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「計画と無計画のあいだ 自由が丘のほがらかな出版社の話」(三島邦弘)

自由が丘に、小さな、そしてほがらかな出版社がある。それがミシマ社。(^_^)

出版不況と断言する業界で、年間六冊ほどの新刊だけで、6〜8人の社員をかかえ、事業計画すらつくっていない会社がなぜ存続しているのか?それは「計画と無計画のあいだ」があるからなのだ。そのエッセンスを紹介しよう。


・いろいろな人に指摘されるように、ミシマ社という会社はどんなふうにして回っているのだろう?出版不況と断言する業界で、年間六冊ほどの新刊だけで、6〜8人の社員とともに、なんとか会社を維持し続けていられるのはぜか?ちなみに金融機関から一度も一円たりとも借りたことがない。もっといえば、事業計画すらつくってない会社が…なぜ?


・最初に断っておくが、当然のことながら、この本を読んで成功のための何かを得ることはできない。理由は明快。ぼくもミシマ社も、まったく成功者ではないからだ。経済的な面からいえば、五年たった今も、超もがき中だ。


ベンチャーには、「自分の仕事」など存在しない。世間では雑用といわれるものもふくめ、「全部」が自分んの仕事になってくる。いってみれば、仕事は無限だ。代わってくれる人がいないのだから。休みもあってないようなもの。


・今になって思う。もともと人生なんて初めての連続ではないのか、と。生まれてから今に至るまでずっと「初めて」のことばかり。初めての集団生活、初めての遠足、初めて親元を離れての旅、初めて恋、初めての…。かつて何ひとつとして経験したことないばかりを、毎日、「初めて」のこととして経験していた。


・ミシマ社の顔となるものが2007年の秋頃生まれた。手書きはがき、である。本にはさみこんである「読者はがき」を手書きにしたのだ。にょろにょろ文字のハンドライティングが、まさに体温となって読者の方に伝わり、思わず読者はがきを書いてくださることも少なくない。最近では、全メンバーが「返信用ミシマ社通信」にひとこと書き添えてご返信している。



・何度も述べてきたとおり、ぼくたちはマーケティングをしない。いわゆる事業計画みたいなものもない。年間の発行点数もはっきりしない。融資といった銀行との取引もない。ひとことでいえば、計画性がない。だからといっていい加減なわけではない。


・結局のところ、「一冊入魂」以外にとりうるやり方はない。この一冊が売れないことには、次の一冊を出すことはできない。ミシマ社がなんとかなんとか、会社として回っているのは。この一冊を買ってくださる読者の方々が全国にいるからこそだ。それだけが、ミシマ社が存在できている唯一の理由だ。


波瀾万丈だったのに、それをアッサリ書いているのがスゴイ。思わず応援したくなっちゃうよな。個性的な本を出しているミシマ社。オススメです。(^_^)


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