「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「逆説の日本史17 江戸成熟編 アイヌ民族と幕府崩壊の謎」(井沢元

昨年から完読を目指している井沢元彦氏の「逆説の日本史」シリーズもいよいよ第17巻。(・∀・)

以前から知りたいと思っていたアイヌの歴史国学思想の成り立ち、天保の改革、そして完全リサイクル社会を実現した江戸の暮らしなど。教科書では教えてくれない歴史エピソードが満載。そのエッセンスを紹介しよう。



・結論を言えば、あくまで仮説だが、縄文人日本民族、沖縄人、アイヌの共通の祖先だが、本土にいる縄文人が渡来人と大々的に混血したので、沖縄人・アイヌとの差が生まれた、ということだ。では、そのアイヌとはどのような歴史を持ったのか?


倭(大和)と日本は初めは別の国であって、当時の「日本」は東北地方を中心とする「日の本人」の国であったということだ。つまり、東北町の「日本中央の碑」は本物か、少なくともそれを再建したものである、というのが私の考えだ。


本居宣長が、古事記源氏物語の研究を通して感得したことは、日本人の仏教や中国思想に「汚染」される以前の「無垢」な心情である。それを宣長もののあはれと呼んだ。


・実は宣長は、日本人の「宗教」の完成者の一人と言ってもいいし、坂本龍馬西郷隆盛以上に明治維新を成功させた功労者の一人と言ってもいいのである。


朱子学の政治への悪影響すなわち「毒」の部分は、大きく分けて三つある。1 新しい事態への柔軟な対応ができない。2 歴史を捏造してしまう 3 外国人も「夷(えびす)」つまり、野蛮人と決めつけ、その文化を劣悪なものとして無視することだ。


・この「毒」の作用を現代の韓国に当てはめると、どうなるかおわかりか?「韓国の近代化は韓民族が独力で成し遂げたものであり外国人である日本人の力など借りていない」という形になるのである。


幕末の日本人はそのほとんどが日本の正しい歴史の正確な知識を知らなかった。そして、その無知が、私に言わせれば無用の混乱と多大の犠牲を招いた。


・ここで「幕末史」における日本人の認識の誤り、いやもっとはっきり言おう、真の歴史とはまったく違う「非常識」を強調しておきたい。それはアメリカは突然やってきて日本に開国を求めたのではない」ということだ。つまり「ペリーの黒船が日本に開国を要求した」というのは事実だが、決して「突然」ではなかったということなのである。


その他、アイヌの3大蜂起・コシャマインの戦い・シャクシャインの戦い・クナシリ・メメナシの戦いとは」、「純朴なアイヌを欺くのに使ったシャモ勘定(アイヌ勘定)とは」「平田篤胤が定着させた日本人の祖霊信仰」「江戸の超能力少年との問答をまとめた奇書『仙境異聞』など。


今年こそ、完全読破だ!オススメです。