- 作者: 井沢元彦
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/03/03
- メディア: 文庫
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「独自の歴史観を持つ著者ならではの視点から、古代から明治維新までの日本の歴史を見直す一冊。日本史の通説を、頭の固い学者たちの盲論を喝破し、表面的な知識を学ぶだけでは物事の本質に迫れないばかりか、大きな誤解をしかねないと警鐘を鳴らす。報道記者出身の著者が、しがらみにとらわれない在野の立場から説く、人間の本質を突いた日本史論。教科書では学べない真実の歴史とは?」中でもイチバンびっくりした仮説を紹介しよう。
【徳川綱吉は本当にバカ殿か】〜あなたは、人間の意識革命をするためには、「劇薬」が必要なことを知っていますか?
・「犬公方」という渾名はみなさん、ご存知でしょう。「生類憐みの令」という前代未聞の法律をつくり、庶民を苦しめた暗君あるいは政治家としてまったく無能な「バカ殿」というイメージが硬く硬くこびりついています。でもそれは大きな間違いです。「生類憐みの令」とは、どういう背景に出された法律であるかを考えみる必要があります。
・綱吉の時代は泰平の時代でしたが。それに先立つ戦国時代は大変殺伐とした時代で「一億、ゴルゴ13の時代」です。つまり、戦場で首を取ってくること。もっと端的にいえば敵をいかに殺してくるかが人生の目的なわけです。つまり人命軽視がはなはだしい世界であって、人を殺すのが当たり前なのですから、たとえば病気の人間を見捨てたり、動物を殺すなどということ当たり前です。そんなこと、誰も悪いことだと思っていないわけです。ところが二百年近く経つと、人を斬るどころか、武士が刀を使うことすらおかしいという時代になっているわけです。この間に何があったのでしょうか?劇的な大変換があったに違いありません。
・「生類憐みの令」はむちゃくちゃな法律です。人間どころか動物を殺しても死刑になることがあったというのですから、実際のところ、非常に問題の多い法律だったはずです。しかし、実はその法律の陰に隠れているのは「生命の尊重」という基本思想でした。そしてそういむちゃくちゃな法律を施行したことによって、日本人の意識は劇的に変わっていったのです。人を殺すのはとんでもない悪事であるという意識の中に、われわれ現代人は生きています。日本人の意識の大転換が起こったのは、実は綱吉の時代なのです。だから私に言わせれば、綱吉は相当な名君なのです。
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