「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜健康になりたい人へ!…『粗食のすすめ』(幕内秀夫)

粗食のすすめ (新潮文庫)

粗食のすすめ (新潮文庫)

新潟生まれの私は子どものころから、山菜を中心とした田舎料理を食べていた。(^u^)だから小学校に上がって給食を食べるまで、肉類を食べたことはなかったのだ。そのせいか、大学は兄と同じ明治の農学部農芸化学科を出たので、人より健康や食事に関しては興味があるのだ。(^v^)


アトピー、アレルギー、成人病が蔓延する現代日本。肉類や乳製品を積極的に取り入れる欧米型の食生活で、丈夫な体が作れるのだろうか。便利だからといってファースト・フードや加工食品に依存していてよいのだろうか―。日本人の食生活の問題点を鋭くつき、風土に根ざした、伝統的な穀類中心の献立と調理方法をあらためて提唱する、「本当に健康になりたい人」のための栄養学。そのツボとコツを紹介しよう。


・豊かな食生活になって、日本人は健康になったのだろうか。アトピー性皮膚炎の急増、虫歯の急増…。今こそ、「粗食」に帰るべきなのである。「粗食」とは、「貧しい食生活」という意味ではない。日本という自然の豊かな風土の中から生まれてきた素晴らしい食生活―『素食』を見直すことなのである。


・現代の食生活が抱える三つの問題。1 米を食べなくなった日本人 2 食生活が欧米化した日本人 3 栄養素にこだわりすぎる日本人。


・大正10年ごろの米の消費量は、一日に391g、茶碗に約6杯が日本人の平均だった。戦後の昭和25年ですら339g、茶碗で5杯は食べていた計算である。ところが昭和40年頃から消費量は減り始め、平成9年には、201g、茶碗に3杯になってしまったのである。これは大人から子どもまで含めた全国平均だから、一日に茶碗1杯程度しかご飯を食べないという人も少なくないのだ。赤ちゃんは、おっぱいが終わることろから重湯を食べ始める。病院で手術を受けた人もお粥から食べ始める。早く体力をつけさせるためにとステーキや焼き肉を食べさせる病院はまずない。母親は食事の用意ができたとき、家族に、「ご飯ですよ!」と声をかける。食生活の基本は、まさに「ご飯」―「米」なのだ。


・ご飯をあまり食べない人の食生活は朝はパンが中心のようだ。主食をパンにするときはバターやジャムをつけ、副食はハムエッグやサラダなど洋風のものになる。パンには砂糖や油脂類、添加物が入っていることと、どうしても肉や油を使った副食になってしまう。つまり、パンを食べるということは、食卓に油だらけ、砂糖だらけの食品が並ぶことを意味しているのだ。


食品には、それぞれメリット、デメリットがあり、「身体にいい食品」が存在しないように、「身体に悪い食品」も存在しない。取りすぎればからだに悪影響を与えるのは当たり前。その上、同じ食品でも季節や産地によって栄養素はさまざまに変化する。そう考えると、この世に「これさえ食べていればいい」という万能の食品などないことが分かるだろう。「カロリー」というダイエット界の怪物もまた、偏った栄養学から生まれたものだ。10歳の子供と70歳の老人とでな消化吸収力は違う。同じものを同じ量食べたからといって、同じカロリーになるはずもないのだ。また同じ人でも精神状態や体調によって、消化吸収率がかなり違ってくるものなのだ。


「バランスのとれた食事」の「バランス」とはいったい何なのだろう。北極圏に住むイヌイットの人たちは野菜はほとんど口にせずアザラシや白熊の肉を主食にしている。パプア・ニューギニアの高地で暮らす人々は、一日に一キロ以上のサツマイモを食べ、それ以外はきわめて少ない。それでも「栄養のバランスが悪いため病弱」という話は聞いたことがない。むしろ、「バランスのとれた食事」をしているはずの現代のほうが、貧血やアレルギー疾患などの慢性病が増えているのだ。それぞれの民族はまさしく「偏食」なのだ。ただし、「自然に則した偏食」をしているのだ。


「副食の種類を多く、ご飯は少なめに」という現代風の食生活はやめ、「副食は少なく、ご飯は多めに食べる」戦前の日本人の食生活を試していただきたい。太るどころか、むしろスマートになっていくはずである。


・考えてみれば、私たちが生まれてきたときの体重は、わずか3キログラム前後だったはずである。それが大人になると50キロにも60キロにもなっている。その増えた分は食物以外の何物でもないのである。毎日何気なく食べている食物、その積み重ねが今のからだを作っている。その積み重ねに間違いがあれば、どこかに異常が出ても不思議ではないのだ。「これさえ飲めば、これさえ食べれば」という特別な食物や栄養素、魔法の食物を追い求めるよりも、身近な毎日の食生活に問題はないか―そのことに目を向けてほしい。


【食源病を防ぐ10カ条】

1 ご飯はきちんと食べる 〜ご飯が少ないと、つい甘い菓子類などの間食をしたくなってしまう。
2 穀類は未精製のものに 〜ご飯は胚芽米、分搗き米、玄米、雑穀など、未精製のものにしよう。
3 副食は野菜中心にする 〜季節の野菜、海藻、芋類、キノコ類を中心とする。冬場の生野菜などは好ましくない。
4 発酵食品を食べる 〜みそ汁、漬物、納豆などの発酵食品は毎日食べるように。
5 肉類を減らす 〜なるべく減らし、動物性食品は魚介類や卵くらいにする
6 揚げ物は控えめに 〜天ぷら、フライ類はできるだけ控えよう。油脂類は、炒め物やドレッシングからとるくらいに。
7 白砂糖の入った食品は避ける 〜 菓子類(クッキー、ケーキなど)、飲料水(乳酸菌飲料、清涼飲料、炭酸飲料など)はとらないように。
8 砂糖や塩は未精製の物を使う 〜 甘味は黒砂糖、三温糖、ハチミツなどのほか、みりん、日本酒などでつけるようにする。
9 できる限り安全な食品を選ぶ 〜せめて醤油、みそ、塩、砂糖、みりんといいった基本的な調味料くらいはよく吟味する。
10 食事はゆっくりよく噛んで 〜噛むことは歯ぐきを丈夫にしたり、脳の血流をよくする作用がある。



その他、山梨県棡原村・ほろびゆく長寿村」、「カタカナ食品からひらがな食品へ」、「食生活の55年体制崩壊へ」「栄養素信仰の大罪」「FOODは風土が決める」「間違いだらけの食事常識」など。すぐ実行できそうだね。(^u^)


幕内秀夫の食生活日記
http://blogs.yahoo.co.jp/makuuchi44