- 作者: グレッグ・クライツァー,竹迫仁子
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2003/06/25
- メディア: 単行本
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この本でビックリしたけど、人口の60%が肥満だという肥満大国アメリカ。こんなアメリカに誰がしたのだろうか?そのエッセンスを紹介しよう。
・アメリカ人は、地球上で最も太った国民なのだ。アメリカ人の約61%がやや肥満―つまり、体重が直接的な原因となって、健康上の問題が出てくるほど標準体重をオーバーしている。約20%が肥満―脂肪が多すぎて、寿命が多すぎて、寿命が短くなりそうなほど太っている。現在、500万人以上のアメリカ人が、病的肥満の定義にあてはまる。
・1971年にある日本の食品科学者が安い甘味料を効率良く生産する方法を見出した。それは、高果糖コーンシロップ、HFCSというものだ。ショ糖よりも六倍甘く、糖分の高い製品を生産するときのコストが、大幅に削減でき、また冷凍食品に使うと冷凍焼けを防ぐことができるのだ。ただ、HFCSは、ショ糖やブドウ糖とは違い、ほとんどそのままの形で肝臓に達するので、多量の果糖が体に入り込むのだ。
・油脂の世界にパーム油(アブラヤシ)が登場した。パーム油は牛脂に近く、精製が難しいのだが、技術の進歩のおかげで、活用範囲の広い商業油脂になっていた。フライドポテトを揚げるのにも、マーガリンをつくるのにも、クッキーやパンやパイをつくるのにも、様々なインスタント食品をつくるのにも適していた。メーカーは「舌触り」をよくするために、より多くのパーム油を使うので高カロリーになる。そして価格が信じられないほど安いのだ。
・第18代農務長官、アール・バッツの尽力によって食品原料の値段が下がった。砂糖とコーンシロップを50%ずつ混合していたコカコーラとペプシの双方が、いずれも100%高果糖コーンシロップに変えたことだろう。そのため、徳用サイズを販売しても、まだかなりの収益を上げられた。バッツは、現代のアメリカの消費者が欲しがるものをすべてもたらした。安くて、豊富で、おいしい高カロリー食品がいっぱいの時代が到来したのだ!
・ファストフードの商品のジャンボサイズ化が、消費者の食欲に影響がありそうだ。配膳される食べ物の量が増えると、すべての被験者の食べる量が増加した。「満腹は満腹にあらず」食べ物を多く与えるだけで、食欲は増進するのだ。ファストフード店の利用が多くれば多いほど、摂取するエネルギー量が多くなり、脂肪から摂取するエネルギーの割合が増え、毎日飲むソフトドリンクの量が増える…そして、一日の果物、野菜、牛乳の摂取量が減る。
・最も間食をとっているのは、貧しい人々だった。ヒスパニックやアフリカ系アメリカ人の間食摂取カロリーの増加率は最も高く、逆に白人の増加率は最低だった。増加傾向が最も高かったのが、南部の中流よりワンランク下の階級である。そして、ファストフード店での食事が増加したように、スナック食品のカロリーも増加した。現代社会の間食の習慣そのものが、子どもたちの肥満を助長しているのかもしれない。
・ハーバード大学とボストン小児病院の共同研究で、幼いころにソフトドリンクから過剰なカロリーを摂取した子どもは、成長するにつれて食事をきちんととれなくなり、その結果、栄養のバランスが崩れ、やがて肥満にいたるという結果が出た。
・テレビの視聴時間が増えれば、子どもは太っていく。一日に四時間以上テレビを観る子どもは、皮下脂肪の厚さもBMIも、最も高い数値を示しているが、一日のテレビの視聴時間が一時間以内の子どもは、BMIの値が最も低くなっている。どの調査結果を見ても、幼少期や思春期に運動不足で太り気味の子どもが、将来、肥満になることは疑う余地がない。太った子どもは、太った大人になるのだ。
「1.コストダウン! カロリーアップ!――脂肪はどこから来たのか」
「2.ポテトはいかがですか!――脂肪をとり込ませるのは誰か」
「3.ゆるめられたベルト――脂肪を招くのは何か」
「4.健康優良肥満児!?――脂肪はなぜ蓄積されるのか」
「5.太る機械=子供の製造――脂肪とは何か、何でないのか」
「6.死に至る脂肪――脂肪の余剰は何をするのか」
「7.脂肪地獄からの脱出――脂肪に対して何ができるのか」
ん〜こんな背景があったのか…。深刻な問題だね…。気をつけないとね…。(^^ゞ