「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「雑食動物のジレンマ(上)ある4つの食事の自然史」(マイケル・ポーラン)

 

コアラはユーカリしか食べないし、パンダは笹しか食べないので、食事のメニューに悩むことなんかないよね。(笑)ところが我々は、けっこう悩むんだよねー!だって雑食だからー!(・∀・)

 

全米で話題沸騰!数々の賞を受賞した全米批評家協会賞最終選考作!料理界のアカデミー賞とも言われるジェームス・ビアード賞最優秀賞(食関連著作部門)、カリフォルニア・ブック賞(ノンフィクション部門)、北カリフォルニア・ブック賞(ノンフィクション部門)を受賞!

私たちがいつも口にしているものは一体何なのでしょうか?それはどこからどうやって食卓まで来たのでしょぅか?私たちが食べるべきなのは、簡単で便利な冷凍・加工食品なのでしょうか?オーガニックフードなのでしょうか?その答えを見つけるために著者は、4つの食事――ファストフード、オーガニックフード、フードシェッドフード、スローフード──の食物連鎖を追いかける旅に出ます。

いつもの食卓に並ぶ野菜や肉など、誰もが口にしている食べ物の食物連鎖を求めて、トウモロコシ農場から食品科学研究所、肥育場やファストフード店から有機農場や狩猟の現場までを案内し、私たちが正体を知らないまま口にしているものが何か突きとめます。そして、最後にたどり着いた完璧な食事とは?」そのエッセンスを紹介しよう。

 
 
大昔からの由緒ある主食のひとつはアメリカの食卓からこつ然と姿を消した。2002年の秋だった。その主食とはもちろん、パンのことだ。このときアメリカ人の食生活は、文字通り一夜にして変遷を遂げた。全米が炭水化物恐怖症とでもいうべき集団発作に襲われ、カーター政権当時から続いていた全米脂肪恐怖症の時代が終わりを告げたのだ。
 
・新しいダイエット本、パンやパスタさえ食べなければ、もっと肉を食べても痩せられるのだと。高タンパク・低炭水化物をモットーにしたこのダイエット法は、1970年代からアメリカを支配してきた食の通説を疑問視する、いくつかの新しい疫学研究が根拠だとしている。私たちを肥満たらしめているのは脂肪ではなく逆に肥満予防のために食べ続けてきた炭水化物なのだという。
 
ステーキ肉の潔白は証明され、代わってパンとパスタという、最も健康的で物議を醸すはずのない食品に汚名が着せられた。両手に余る数のパン屋とパスタ製造会社がたちまち倒産し、何ら問題もないのに台無しにされた食事の数ははかりしれない。ある社会の食生活がこれほど乱暴に様変わりするのは、いわば国全体が摂食障害を病んでいる証拠にほかならない。
 
・多かれ少なかれ、すべての雑食動物は夕食に何を食べようかという問いに頭を悩ますものだ。それは昔もいまも変わらない。でも、コアラは何を食べようかと悩むことはないユーカリの葉の外見と香りと味がするなら、それが食べ物に違いないのだ。
 
雑食動物という万能選手であることは、厄介であると同時に武器にもなる。雑食性だからこそ、人間はこの地球上のありとあらゆる環境で生きられるのだ。それに雑食性は、バラエティに富んだ選択肢という楽しみももたらしてくれる。
 
・人間は、自然界のほかの捕食者とは大きく異なっている。まず、火を使った調理や道具を使った狩猟、農業、そして食糧保存といった革新的な技術をもって、自ら依存する食物連鎖を大きく変える能力を持っている。
 
・本書は、工業、オーガニック、狩猟最終という、今日の私たちを支える三つの食物連鎖について見ていく。本書のテーマのひとつは、第二次世界大戦末に起きた食物連鎖産業革命が、この仕組みを大きく変えてしまったということだ。農業が工業化したことにより、エネルギー源を完全に太陽に依存していた状態から、化石燃料からエネルギーを得る食物連鎖が新たに登場した。この変革によって、人間が利用できる食物エネルギーの量は大幅に増加した。その結果、人間は恩恵を受けたが、その恩恵は純粋だとはいいがたい。食の豊富さは、ありとあらゆる新しい問題や不安が生み出され、ジレンマは深まったのだ。
 
卵も、もとをたどればトウモロコシだかつては牧草を食む乳牛からとられていた牛乳やチーズやヨーグルトも、いまでは屋内で、一生機械につながれトウモロコシを食べ続けるホルスタイン牛から来ている。
 
食は人なりー体をつくるのは食べ物だ、とよくいわれる。それが本当なら、私たちアメリカ人の体は、まさに大部分がトウモロコシでできていることになる。なぜトウモロコシが人間の食を征服するようになったのかなぜ人間うやほかのどの家畜や栽培植物よりも地表を制覇するようになったのか。
 
1492年以前には旧世界に知られていなかった。中央アメリカの不思議な植物、トウモロコシ。それが私たちの大地と体を占領するまでになった過程は、植物界の最も偉大なサクセスストーリーのひとつだ。
 
・「トウモロコシ農家は、工業的食物連鎖のいちばん下にいるんですよ。土地を使って、エネルギーとタンパク質をつくり、その大半は家畜の飼料になる。トウモロコシはエネルギーをつくる最も効率的な作物で、大豆はタンパク質をつくるいちばん効率的な作物だというわけです

 

これ、スゴいなあー!下巻ではどうなるんだろう!?この本の結論は!?知りたーい!読みたーい!超オススメです。(・∀・)