- 作者: 野村克也
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2009/11/27
- メディア: 単行本
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BOOK〜叱り方、褒め方、教え方…『野村再生工場』(野村克也)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20090520
その「生涯一捕手」の眼から見た、伝説の野球人生論。ノムさんの人生の総集編がこの本だ。そのエッセンスを紹介しよう。
・半世紀以上プロ野球の世界に生きて、私が未だに痛感させられるのは、「プロとは何か」という概念である。生き方と言い換えてもいい。人間は無視・賞賛・非難の三段階で試されている。私の野球人生も初めはテスト生という立場ですべて無視された。そして四年目から一軍レギュラーに定着し、プロとして芽が出だすと賞賛された。しかし主力選手になり三冠王を達成すると「大きな顔をするな!」という叱責であった。
・人間の評価は何によって決まるか。それはその人間が何を残すかで決まる。カネを残す人もあれば、名声を残す人もあるかも知れない。しかし、一番評価されるべきは、人を残すことではないか。自分の影響を受けた人、薫陶を受けた人材を後世に残すこと。それができた人物こそが高く評価されるべきだ。
・野球は身体能力ですべてが決するわけではなく、考える要素が非常に多い。私はそこに惹かれた。野球を始めてから 60年近い時が流れた。これだけ長く付き合ってくると、そろそろ野球に飽きてきてもおかしくないのだが、一向に飽きる気配がない。それどころか、毎日が新しい発見である。
・監督としてチームを預かった私は、基本的な組織戦略として、選手を「集める、鍛える、育てる」の三大要素を自らに課してきた。
・野球のような勝負事に、万能の手などというものはない。最善の策も時代によって変化するし、チームや選手の置かれた状況によっても変化する。そうした変化は状況をよく読み、その上で新しい戦略を打ち出すのが独創性のある監督、革命的な監督といえる。
・詰まることろ、野村野球とは「情と理」に基盤があるのかもしれない。
・私が監督として、常々選手たちに言うのは、「無形の力」を養え、ということである。見えないものが見えるかどうかで、その選手の野球人生は必ず変わる。