「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜読書は脳をどのように変えるのか?…『プルーストとイカ』

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?

いや〜!この本はめっちゃ面白かったなあ!(゜o゜) 今年のベスト3には入るだろう。
ユニークなタイトルだよね。なぜプルースト?なぜイカなのか?その謎のヒミツは…読んでね。

私たちは当たり前のように文字を読むけど、それはわずか、2000年前からなのだ。そして人間の脳とは、文字を読むためには作られていないのだ!ビックリ!そして人類が2000年余をかけた文字の発達レベルに、今日の幼い子どもたちはわずか2000日(五歳くらい)で達する!この驚くべき進化は、「読む」ことによって作られた。そう、文字・読書は、脳を劇的に変えるのだ!

古代の文字は、どのように脳を変えたのか?脳は成長につれて、どのように読み方を学ぶのか?熟達した読み手の脳とは?日本語脳・英語脳・中国語脳の違いとは?そのエッセンスを紹介しよう。(^J^)



読むという行為は自然な行為でなない。多くの人々、それも特に子どもたちの場合は、奇跡にもつながれば、悲劇にもつながることがある。私たちはけっして、生まれながらにして文字を読めたわけではない。人類が文字を読むことを発明したのは、たかだか数千年前なのである。ところが、この発明によって、私たちの脳の構造そのものが見直されて、考え方に広がりが生まれ、それが人類の進化を一変させた。読むというのはまさに、歴史上最も素晴らしい発明のひとつだ

歴史を記録できるようになったこと自体、その所産のひとつである、私たちの祖先が読み方を発明できた理由はただひとつ、人間の脳が、既存の脳内の構造物間に新しい接続を生み出すという、驚くべき能力を備えているからだ。


・文字を読む脳からデジタルな脳への移行が進む昨今、文字を読むため、つまり読字がどう役立っているかを知ることが、ことのほか重要だ。読字は歴史的にいかなる進化を遂げてきたのか、子どもはどのようにして読字能力を獲得するのか、また、読字は脳の生物学的基盤をどう構築し直したのかを理解すれば、文字を持つ動物である人間の脳の驚くべき複雑さが、まったく新しい観点から見えてくる。この観点から、進化を続ける人間の知能の未来像と、その未来像を実現していくうえでせまられることになるさまざまな選択を浮き彫りにしてみるつもりである。


・私たちの考え方や考えることも、大半は、私たちが読んだものから生じた見識や連想に基づいている。ある意味、「私たちを作り上げているのは、私たちが読んだものなのだから」

読書しているあいだ、私たちは自分の意識から抜け出して、年齢も文化も異なる他人の意識に入り込むことができる読書によって、自分とはまったく異なる他人の意識の視野を体験し、自分を同一視し、ついには短時間ながらもその視野を共有できるようになる。インスピレーションを得ることもあれば、悲しみを感じることもあるが、心は必ず豊かになる。こうして他人の意識を直接体験することにより、私たちは自分自身の考え方には共通性と独自性があることを悟る。自分は一個の人間であるけれど、一人きりで生きているわけではない、そう悟るのである。


・読字の学習は、幼児がひざに抱かれて、初めてお話を読んでもらう時から始まる。生後5年間にそんな機会がどれほどあったか、なかったかが、後の読字能力を予測する最良の判断材料のひとつになる。特定の絵が決まった物語と結びついていて、物語は言葉と結びついている感情、つまり幸福感から恐怖、悲しみに至るまでの幅広い感情を伝えるものであると理解するのだ。物語や本を通してあらゆる感情を学び始めているのだ。


・後の読字に大きく寄与するもののひとつは、子どもが五歳になるまでの「夕食時の団らん」に費やす時間の長さだ。初期の言語の発達については、ただ話しかけること、読み聞かせること、子どもの言葉に耳を傾けることが大切なのだ。


・実に大勢の発明家や芸術家、建築家、コンピュータ設計者、放射線科医、資本家たちが子供の頃にディスレクシア(読字障害)であった過去を持っている。トーマス・エジソン、アレクサンダー・グラハム・ベルレオナルド・ダ・ヴィンチオーギュスト・ロダンピカソアルベルト・アインシュタイン、俳優には、ダニー・グローバーウーピー・ゴールドバーグジョニー・デップトム・クルーズといった面々が顔をそろえている。これらの人々が備えている圧倒的な創造力と、「既成概念にとらわれないものの考え方」を、いったいどう説明すればいいのだろう?


読字学習は脳の視覚皮質を変化させる。視覚システムは物体認識と特殊化の能力を備えているため、熟達した読み手の視覚野には、文字、文字パターンおよび単語の視覚映像を担当する神経細胞の回路網が装備されたことになる。熟達した読み手の場合、これらの領域がものすごい速さで機能する。


ディスレクシア(読字障害)になる四つの原因」は、最近わかった学習障害(LD)を理解するにはちょうどいいね。ちょっと難しいけど面白い!おススメ!(^<^)