名選手であり名監督だった野村克也氏。
本書は、野村監督の教えを12年間にわたって受けてきた腹心の部下である著者が、そのミーティング内容をまとめたもの。人材育成とは?組織運営とは?そのエッセンスを紹介しよう。
・野村監督は、春季キャンプなどのまとまった時間がとれるときに、自身の野球学や、人間学、組織学などを選手たちに講義する時間をもっていた。これを私たちは「監督ミーティング」と呼んでいた。これにこそ、名将といわれる野村監督の秘密があるのだ。中身は3つ。
1人間教育 2 変化の奨励と、それによる個々人の能力の開発 3 技術以外の、データや読みを駆使した「無形の力」の奨励
・野村監督というとデータ野球にばかり目がいきがちだが、実は人間教育にとても力をいれていた。「人間的成長なくして、技術的進歩はない」というのが、監督の強い信念であり、またそれは、長年プロの世界で多くの一流選手たちとともにプレーしてきた監督の実感でもあった。だから、人生とは何か?仕事とは何か?を選手たちに考えさせ、野球人としてではなく、1人の人間としても尊敬されるような人になれ、と説いていた。
・「いま言って、わかること」も大切だろうが、それと同じくらい、「いまはわからないが、そのうちわかる重要なこと」をとても重視していた。「夜、バットを振ることも大切かもしれないが、オレの話はそれ以上に大切だ。いつかは役立つ。それがいつかはわからない。ひょっとしたら10年後になるかもしれない。だが10年後、いまおれの言っていることが、「少しでも理解できる」と感じられるようになったら、君たちはいまよりずっと成長したことになる」その選手が大きく伸びていくためには、考え方の部分での変革が大いに必要になってくる。
その他、「クセのある選手を従わせていた野村監督の人間力の秘密」「たった一度だけ見た野村監督の涙」など。
経営者、リーダーは必読!オススメです。(・∀・)