プロ野球のペナントレースもそろそろ大詰めだね。そういえば今年ノムさんこと野村克也さんが亡くなったよね……。合掌だね……。素晴らしい実績の監督でした……。
さてこの本、 そのノムさんの懐刀、側近中の側近の橋上秀樹さんの本。「弱小球団を生まれ変わらせ、若手、ベテランに限らず多くの選手の能力を開花・再生させてきた知将・野村克也氏。いっぽうで表に出てきているそうした顔と、違った影の部分もある。ヤクルト、阪神、楽天3球団で12年間、選手として、またコーチとして間近で野村氏を見てきた著者が、野村克也の影の部分に焦点を当てる」そのエッセンスを紹介しよう。
・監督と長く一緒にいてわかったことは「監督・野村克也」 というのは人情味あふれる一方で、 こと勝負となると一歩も引かず、勝つことにこだわり続けた。 それによって誤解を受けてしまった人、 傷ついてしまった人もいたかもしれない。だが、その根底には「 勝つことによって、チームのみんなが幸せになる」 という考えが胸の内にあったのは事実である。
・喜怒哀楽を前面に出して、試合はもちろんのこと、 数多くの選手たちとも闘っていた。 そし味方の選手であればあるほど、厳しく叱咤し、 あるいはマスコミを通してボヤき、名指しした選手に対して「 なぜそう言われたのか、それならどうすればいいのか」 ということを考えさせ、プロ野球選手として、 あるいは一人の人間として成長してもらうことを望んでいた。
・私が学んだ「ノムラの教え」を、 一人でも多くの選手たちに伝えることによって、 よりレベルの高い選手になってほしいと願うのと同時に、 一人でも多くの選手がプロ野球の世界に飛び込んでほしいと、 切に願っている。
・「あのとき、野村監督の言うとおりにしていたら、 彼はもっと違ったプロ野球人生が送れただろうにな」 と悔やんでも悔やみきれない選手、それが笘篠賢治である。 当時の笘篠はチーム内で仲良くしている選手がいなかった。 もともと「自分の考えと技術には絶対の自信がある」という、 超がつくほどプライドの高い選手であったため、 選手の間では浮いた存在だったのだ。野村監督はしきりに「 脇役に徹しろ」と言い続けていた。この言葉に、 笘篠のプライドはズタズタにされた。
「明暗を分けた二人の性格 西村龍次と山田勉」「二代目ミスター」襲名ならず 長嶋一茂」「「脱・ブンブン丸」との葛藤 池山隆寛」「「野村野球」を受け入れなかった理由 岡田彰布・今岡誠」「天から見放されなかった男 山口重幸」「忘れられない引退勧告での「涙」飯田哲也」「息子・ 克則との固い絆 一場靖弘」「人気」「実力」があるがゆえに生まれた嫉妬心 古田敦也」「野村克也を最も近くで見続けた男 橋上秀樹」など。
ひとつひとつのエピソードにドラマがあるね。野球はやっぱりいいね。そして相性ってあるよね。オススメです!( ^∀^)