巨人軍論 ――組織とは、人間とは、伝統とは (角川oneテーマ21)
- 作者: 野村克也
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/02/10
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BOOK〜『負けに不思議の負けなし』(野村克也)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20090415
なぜ名将といわれる名監督になったのか?なぜID野球を取り入れたのか?それはジャイアンツへのコンプレックスと憧れだった!ノムさんが語る、ホンネバリバリの巨人軍論。そのエッセンスを紹介しよう。
・野球の九つのポジションと打順にはそれぞれの役割がある。それを無視し、国内外の四番バッターばかりを集めたのがいまの巨人である。「個々の選手の才能の合計=チーム力」と短絡的に考えた結果があのていたらくなのである。チームでもっとも大事なのは「機能性」である。
・どうして巨人はエースを獲らないのだろう?結局、いつの時代も巨人はなのである。川上哲治さん、千葉茂さんの時代からON(王貞治、長嶋茂雄)、原辰徳、松井秀喜、高橋由伸、清原と、チームの中心はつねにバッターにあった。言い換えれば、投手の評価が非常に低いのが巨人というチームだった。もうひとつ巨人の監督はずっと「生え抜き主義」を採ってきた。ほかのチームの出身者はひとりもいない。私にはこのことのツケがいま出てきているように思えてならないのである。つまり、新しい血を注入してこなかったことも、現在の衰退を招いている一因になっている。
・野球は「間」のスポーツである。一球一球考える時間がある。同時に、野球は確率の高い方を選択するスポーツでもある。その状況でバッターやバッテリーがどのような心理状態にあるのか、ある程度わかっていれば、それだけ攻略できる確率が高くなる。こうして蓄積していったデータは膨大なものになった。
・チームは生き物である。日々変わっていくチームの未来をいかにイメージし、実際につくりあげていくか。そういう能力こそがチームを長らえさせる秘訣であり、それが失われたときがチームが崩壊に向かうときであると私は信じている。九つのポジション、九つの打順にはすべて特性と役割がある。ということは、たんにいい選手を九人集めればいいというのではなく、V9時代の巨人のように、九つの役割にピタリと合う選手を集めて育成することの方が重要である。そのためには、監督は各選手の特性をきちんと見極め、進むべき方向を示してやらなければならない。
その他、「野村再生工場は巨人への対抗心から生まれた」 「本気で勝ちたいなら、人間教育に力をいれろ」 「巨人軍がお手本としたドジャースの戦法とは?」 「中心なき組織は機能しない」などは経営者、リーダー、部下を持つビジネスマンには特にオススメ!(*^。^*)