「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「人間における勝負の研究」(米長邦雄)


今日で、ブログを始めて、丸2年になりました。長いようで短かったなあ!(^◇^)これからも休まず、あせらず、感動を仕入れていきますので、よろしくお願い申し上げます。


さて、日本将棋連盟会長であり、永世棋聖米長邦雄氏。私がもっとも好きな棋士の一人だ。氏の棋風はさわやか流とも泥沼流ともいわれ、49歳11ヶ月で史上最年長名人になるなど、輝かしい実績を持つ。
氏の代表作であるこの本を25年ぶりに読んだ。またまた新たな感動!すべてのビジネスマンに捧ぐ!そのツボを紹介しよう。


・太平洋戦争中、私の父は貴金属や金目のものをすべて政府に提出し、戦後の農地改革では田畑を取り上げられてしまし、没落地主になってしまったわけです。しかし、私の考えでは、とにかく米長家は、日本国に貸しがある。考えようによっては、これほどの強みはないわけです。だから、私には、日本に住んでいるかぎり、ひどい目に逢うことは絶対にないという、自信というより居直りに似た考えがまず最初にあるわけです。


・将棋で最善手を見つけることは、本当に大切なことです。しかし、最善手をみつけるよりも大切なのは悪手を指さないことです。将棋にしろ人生にしろ悪手を指すのは簡単です。人を殺す、横領する、騙す、盗むといいった悪手なら人間が欲望どおり行動していれば、たいてい悪手になります。要するに悪手の山の中を歩いているようなものが「人生」なのです


・勝負というのは、実力の差を別にすれば、「確率」と「勢い」と「運」という三つの要素から成り立っています。ではいったいどうすればその運をつかまえられるのか?
それを一言で言ってしまうと、「自分の利害にはたいした影響のない勝負で、必死に頑張ること」です。そういう一番にマアマアで負けると負けグセ、がついてしまい、運が逃げてしまうのです。


本当に強くなりたいと思ったらまず独立心というか、孤独に耐えられる力が必要です。最終的に頼れるのは自分自身の力だけなんだ、ということがわかってないと本当の成長はできない。将棋の勉強の最善手はある局面を見て、自分の力で必死に極限まで読み、考え抜くということの繰り返しです。攻めるべきか、守るべきか、とにかくむずかしくてわからない。そういった局面を自分の力だけを頼りに自分の結論を出すのです。


・私の兄は東大に合格するために、高校一年の夏から卒業するまで、夜の七時から午前二時までの7時間、毎日勉強をしました。これは延べ約6000時間をかけたことになります。私は中学から高校までの6年間、毎日5時間ほど将棋の勉強をしましたので、延べ約1万時間になります。司法試験では、1日10時間、2年やれば射程距離に入ると言われていますが、やはり6000時間になります。試験であれ、芸の道であれ、青春時代に合計して5〜6000時間集中的に努力を持続した物が、一応認められるというのが、世の中というものではないでしょうか。


本当に勝負強い人は、悪手を出したとしても、それを一度で食い止めます。それができるかできないかが、弱い者と強い者の分かれ目になるわけです。ゴルフでも一打おかしなショットをやった場合にそれをいかにカバーするか。野球でも打たれた後どう対処していくかが大切なのです。


・少し勝ち続けると、人はとかく遊びほうけたり、気が大きくなるものですが、勝っているときにはじっとしているのはひじょうに大切なのです。遊ぶのは負けている時の方がいい。負けがこむような時は、どこか調子が狂っていることが多いのですから、頭の中を一度ゼロにし、空白にしたほうが、かえっていいものです。
だから、私は負けてくるとやたら遊びほうけます。それが一番いい薬だと思っています。勝っている時には、その波を長く持続させようと思って、大切に大切にいくのです。


・私の場合、「貸し借り論」でものごとを決めていきます。貸し借り論とは、人生で貸し方に回るか、借り方に回るか、どちらの立場を選ぶかという意味です。たとえば、サラリーマンでいえば20万円の仕事をしたとして、仮に10万円の給料しか貰えない人は、その会社なり国家なり、団体なりに、毎月10万円の貸しを作っているのです。
貸し方に回るということを煎じ詰めれば、その基は「思いやり」です。それは実力やゆとりがないとダメなのです。


ん…深いっ!(・。・)貸し方に回っていきたいなあ…。(^^ゞ

米長邦雄の家
http://www.yonenaga.net/