屈辱と歓喜と真実と―“報道されなかった”王ジャパン121日間の裏舞台
- 作者: 石田雄太
- 出版社/メーカー: ぴあ
- 発売日: 2007/02
- メディア: 単行本
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テレビを見て、怒り、喜び、涙を流したのは私だけではないだろう。この本はその舞台裏を描いた秀作!なぜ、松井秀喜は出場しなかったのか?デイビットソン審判の世紀の誤審、王監督とイチローのやりとり、云々…面白い内容がたくさんあるのだが、ここでは、せっかくだからテレビでは放映されなかったところをお伝えしよう。
私がいちばん感動したのが、二次リーグ1組で韓国に2−1で負けて、一次リーグA組に続き二連敗した時のベンちゃんこと和田一浩(西武ライオンズ)だ。
イチローが怒りで叫び、選手のほとんどは、無言でダグアウトで固まったまま動けない。だが、和田はベンチで一人泣いていた。和田は一流のスラッガーなのにもかかわらず、WBCでは体調を崩し控えに回っていたのだ。
相川亮二(横浜) 『試合にも出ていない、不満を持ってもおかしくないような状況の中で、一番、泣くはずのない人が泣いているってことは、この人はものすごく熱い思いをもってここに来ていたってことですよね。韓国に二度負けたことが悔しかったって…。正直泣いている人なんて他に見なかったし、野球に対してどれだけ純粋だったかがわかります。本当にこの人はすごい人だなあって思いました。』
多村仁(横浜−ソフトバンク) 『僕、同じ右バッターとして、和田さんのことは尊敬しているんです。三年連続三割30本打っているじゃないですか。アテネにも行っているし、代表としてどういう気持ちで行けばいいのかと、インコースの打ち方とか、いろいろアドバイスも貰ってきました。僕は、試合に出ても出ていなくても、一緒に戦っているんだということを和田さんに教えられたんです。チームとして、日本代表として、みんな同じ目標に向かって戦っているんだなって、あの涙を見て思いました。そういう気持ちだったからこそ、なんとか出来ただろうと思うと最後の三振が申し訳なくて、自分に腹立たしくて……』
宮本慎也(ヤクルト) 『あのベンちゃんの涙、忘れられません。ベンちゃん、すごいわ、熱いものもってるわって。ああ、こういうヤツがいっぱいいれば、すんなり勝っていたんだろうなって気持ちにもなりました。』
和田は言う。 『日本の野球は韓国の野球に負けるはずがないという絶対的な自信がありましたからね。日本のレベルは、韓国を下回ってしまったのかというのが、一番、ショックでした。国を背負って戦う試合で、日本が、日の丸が、日本の野球が韓国の野球に負けたっていうことがね、一番……。試合に出ているとか出ていないとか、そういうことはあのユニフォームを着たら関係ないんです。代表に選ばれるということは日本の野球を背負う使命を任されるということですし、日本の野球は世界一を期待されますから、チームの一員として、勝たなきゃいけないという使命感は持って当然でしょう。』
クウー〜!!!(>_<)このプライド!勝利への貪欲さ、こだわり!好きだなあ…!
このことがきっかけとなり、チームが一丸となったのだ。
そして、ご存知のようにこの後、アメリカがメキシコに負け、奇跡の準決勝進出となり、韓国を6−0で下し、決勝でキューバに10−6で勝ち、世界一を達成するのだ!!!
…しかし、このブログは野球ネタが多いね…と気づいた。(^_^;) オレ、やっぱり野球が好きなんだなあ…。ブログで自分自身を発見したりなんかして…。