この本、スゴイなあ……面白すぎるなあ……。こんな生物がいるのかあ、神様はなぜ、こんな生物をこの世に生み出したんだろう……。事実は小説より奇なり、だなあ。
「何でもありで命をつなぐ、しぶとい生きざま!生き物たちの生き方は千差万別、何でもあり。生まれ、働き、戦い、怠け、子作りし、食われ、死んでいく。命ある限り力いっぱい生ききる生き物たちの姿を通じて、生きることの本質をトコトン描いた7本のマンガ+解説。生きる理由など求めない本能の清々しさに、なぜか元気が出てくる、大人の生物マンガ」そのエッセンスを紹介しよう。
・人間は動物の中で例外的に脳が大きくなって、 余計なことを考えるようになった。その結果、 農耕を発明し科学技術を発展させ、 快適な暮らしと長い寿命を手に入れたが、強欲、嫉妬、羨望、 死の恐れ、承認願望といった、 厄介な情念に悩まされるようになった。 動物たちはそういった情念と無縁なだけに、人間から見ると潔く、 死を恐れず、残酷である。
・「動物たちは子孫を残すために懸命に生きている」 と知ったようなことを言う人もいるが、 動物たちは子孫を残そうなどと思って生きているわけではない。 子孫を残さなかった種は滅んでしまったわけだから、 結果的に子孫を残すために生きているかのように思えるだけ。 したたかにいい加減に生きているうちに、 子孫を残した系列は生き延びて、 子孫を残さなかった系列は死に絶えただけだ。考えてみれば、 人間だって同じようなものではないか。
・「怠け者を世話して過労死 アミメアリ」
アミメアリの働かない働きアリは遺伝的に決定されていて、 どんな状況でも働かない。働かない働きアリも、 倍数体単為生殖をおこなり子孫を残すが、 この子孫はやっぱり働かない働きアリになるという。
・働かない働きアリは労働にエネルギーを使わない分、 繁殖にエネルギーを投入することができるので、 働く働きアリよりたくさんの子孫を残せるようだ。 自分の子の面倒も見ないで、働く働きアリが子育てをするという。 その結果、コロニーには働かない働きアリがどんどん増えて、 働く働きアリは過労のために疲れ果てて死んでいき、 やがてコロニーは崩壊してしまう。
こんな不思議な生活をして、 アミメアリという種はなぜ絶滅しないのだろう。 1万年以上前からこの2つのタイプの働きアリは共存しているとの ことだ。おそらく働く働きアリだけのコロニーが、 働かない働きアリが侵入するスピードより速く創設されるのだろう 。
生きるって、スゴイなあ。このバリエーションが地球を支えているんだなあ。生物のp教科書にしたいなあ。オススメです。(^^)