・「いろもの」の代表的なものの一つに紙切りがあります。お客が注文した題のとおりに一枚の白紙を切り抜く芸です。動・植物、季節の行事、時の人など、下絵もなく、ほんの二、三分で、にぎやかなおはやしにのって、からだを揺するように動かしながら切手しまいます。寄席のいろいろな芸のなかで、お客に物をあげるのは、この紙切りだけです。
紙切りの芸は、昔からありましたが、それは指先で紙をちぎって、かんたんな動物の形にする程度のものだったようです。それを、初代・林家正楽という人が、大正時代の終わりごろ、はさみを使った紙切りの芸に完成させたのです。もともと落語家だったのが「かくし芸」として紙切りをやったのがきっかけで、紙切りの専門家になりました。
初代・正楽は「ネズミ千びき」という無理な題を出されたとき“ネズミがコルクのせんを引いている図”(ネズミせんびき)で切り抜けました。「闇夜のカラス」という注文ー真っ黒けなってしまうーには、“ちょうちんをくわえているカラス”を切りました。意地悪なリクエストには、こうして頓知(とんち)とユーモアでこたえるわけです。
どんな題が出ても困らないように、毎日の新聞に目を通し、練習のため毎日何十枚と紙を切ります。林家今丸さんは、指先が大事なので、突き指を警戒して、手を使うスポーツはやらないそうです。家のなかでも、重い物をはこんだりはしないとのこと。プロの道はきびしいものです。
【紙切りの効用】
両手を動かすので、子どもは能の発達、老人は老化防止。ふだんから物をよく観察する習慣がつく。切り絵は万国共通、世界のだれにもわかるから国際親善にも役立つ。
「大道芸の世界」「居合抜き」「がまの油売り」「ばなななの叩き売り」「人間ポンプ、猿まわし」「大道芸の流れ」など。
すごいよな〜!芸人って。ワタシもその一人なのか!?(笑)オススメです。(^^)