この本、いいなあ。福島出張の際に、近くにあった図書館でたまたま見つけた本。タイトルに惹かれて読みました。これがオモシロイ!!!こういう出会いって大好きっ!!!
「余裕のない現代人必見!1万3000年の「ヒマ」が生み出す、縄文スピリット。土器はムダな装飾だらけだし、生活に必要ないのに話題の石を長旅までして取りに行くし、謎のモニュメント作りに途方もない時間をかけるし、健康な歯をわざわざ抜いちゃうし、なんだか縄文時代ってムダばかり!?日本史上もっとも長い1万3000年の歴史をもち、その間戦争もなく、クニを作ることもなく、かたくなに自然との共生を続けた縄文時代。1万年の「ヒマ」が生んだ文化は、現代では想像できないほど濃密で、精神的豊かさに満ちていた」そのエッセンスを紹介しよう。
・本書では、縄文時代の暮らしがなるべく具体的な像を結ぶよう、 縄文人の衣食住にはじ まるライフスタイルから、そこに秘められた思想、 また彼らの死生観まで、想像力を大胆 に働かせながらご紹介してみようと思います。みなさんもぜひ、 心と身体を3000年前のこの場所にチューニングしてお読みいただければと思います。
・そうです。縄文時代はとてもとても長いのです。 どのくらい長いかというと、縄文時代の次にやってくる弥生時代から現在(令和)までの全時代をまとめても、縄文時代の4分の1にも満たないほど!ちなみに、 日本で縄文時代の次に長く続いた時代は 弥生時代ですが、それでも縄文時代の約1/ 20程度の長さしかありません。明治〜現代にいたっては、たったの150年ほど。 歴史の教科書ではサラッと触れられる程度のゾンザ イな扱いを受けていますが、「縄文時代なんて、マイナーな時代」 ではないのです!縄文時代はメジャーもメジャー、 日本列島の歴史はほぼ縄文時代といっても過言ではないのです。
・縄文時代は、一般的には旧石器時代にはなかった「土器」 の出現をもって、その幕開けとされています。 現在日本で見つかっている土器でもっとも古いものは、1万6500年前のもの。土器を作るには、 大変な時間と労力を要します。まず粘土となる土を選び、精製して、水を加えつつこねて下地を作り、 そこから寝かせて、さらに造形し、何日も乾燥させてから、 野焼きの作業をもって完成します。土器を作るということが、遊動から定住へと変化した人々の生活を示唆するからです。
・定住生活を始めると、何が変わるのか。定住、 すなわち一定の場所に住処をかまえて長期間住むということは、 そこに一定数の人間が集まるムラを作るということです。そ うしていくつもムラができると、 お互いのムラを行き来して交易がはじまります。さらに 集落ごとに帰属意識を高めていき、ムラ独自の祭祀をします。 たとえば、祖先を信仰するお盆のような祭や、集落の繁栄を祈る祭、 さらには成人式やお葬式なども。これは当然、人々の死生観をはじめとする精神世界も規定していったことでしょう。 このように、キャンプ しながら暮らしていた人々が定住するというだけで、生活・ 文化から精神世界まで、大きく変わってしまうのです。
・海も山もひと繋がりの自然界は、非常に有機的です。 一つの生業に依存していては、い つ食糧がなくなるともわかりません。ましてや、農耕のように、 人工的に食糧を生産し続 ける方法を採らないのであればなおさらです。まさしく縄文人は、 なんでもこなす「マルチプレイヤー」だったからこそ、 変わりやすい自然の中に人間社会を組み込んで生きるこ
・縄文的生業術のポイントは、 こだわらずになんでもやるということです。もちろん住む 場所によって制限はあったでしょうが、 縄文時代には特定の生業を専業とする集団はほとんどいなかったと考えられています。彼らはみんな、 猟師でいてかつ漁師であり、また植物ギャザラーでいてかつお百姓でいてかつ職人でもあった、 マルチプレイヤーでした。
いいなあ!縄文時代って。タイムマシンで縄文に生まれ変わりたいなあ!(笑)オススメです。(^^)