酒場のギター弾き 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「落語評論はなぜ役に立たないのか」(広瀬和生)

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タイトルがスゴイなあ。ピンポイントだなあ!(笑)「落語評論」という狭い業界を、ビシッと、カラクチでたたっ斬っている。落語への深い愛情を感じるなあ。(・∀・)
 
「「昭和の名人」の時代から現在の“落語ブーム”までの歴史を追い、落語の本質とエンターテインメントにおける評論の役割を考察。今最も勢いのある著者による落語愛溢れる一冊」そのエッセンスを紹介しよう。
 
・落語をこれから知ろうといている人たちが必要とする情報は、有名な古典落語のあらすじでもなければ、落語の歴史でもない。誰を聴けばいいか」ということ。それに尽きる。なぜならば、落語とは、それぞれの演者がそれぞれの言葉を用いて目の前の観客に語りかける芸能だからである。
 
落語は作品ではない落語とは「落語家が高座で客に向かって語るもの」すべてである。だから当然、寄席で噺家が語る漫談も、落語になり得る。高座は「マクラ」と「演目」の二つのパートに分かれるのではなく、その二つが一体となって「落語」だマクラだろうがネタだろうが、あるいは新作だろうが古典だろうが、漫談だろうが、落語家が観客に向かって語りかけることは、すべて落語なのである。
 
志の輔志らくが示したのは「落語は、面白く演れば面白いのだ」という当たり前の事実である。落語は演者の魅力を楽しむ芸能であり、演者は落語とういネタを自分で料理して、固有の落語として自分の目の前の観客に提供しなければならないそれが落語の原点であり本質だ、ということを、志の輔志らくは身を持って証明したのである。
 
・評論家となる人物には、大前提として、自分が評価する対象となっているジャンルへの「無償の愛」とも言うべきものが備わっていなくてはいけない。
 
スポーツと異なり、活躍している落語家は「引退」はしない。誰より上手く、まだまだ現役でやれるのに引退して落語評論家を名乗る、という例は今のことろ存在しないり、未来もありえないであろう。現役である限り、芸人はあまり他の芸人を「評論」しない例外中の例外が立川談志という異能の天才である。談志は「評論家」としても超一流だ。
 
・そもそも、落語という芸能には客観的な「上手さ」の尺度は存在しない。談志は「上手い」は分解できない、と結論付け「上手い」の上位に「場違いかどうか」という物差しがある、と示した上で「いい芸とは何か」という命題に辿り着く。「上手くて、場違いでもない、つまりいい芸』とは、江戸っ子の了見に合うものであり、つまり桂文楽落語は文楽であり、歌舞伎は五代目菊五郎であり、寿司はあそこの店、卵焼きはそこの店…とこだわる伝統、その上に成り立つ、無意識に決めるもの。それが『いい芸』である」いい芸は時代によって変化するのではないかと言ったら、変化する。けど、その背景に伝統芸術がある、という一点は変わらない」明快である。「江戸っ子の了見」という言葉に込められた美学を、共通の物差しとする者の間で通用する「いい芸」。それは、落語の伝統を背景に「江戸の風」の中で演じられるものだ、と談志は言う。「江戸の風の中で演じる。抽象的だが、そうとしか言えない」とした上で、「どこまでを『江戸』とするのか。昔の人はそれを計り、『上手い』『拙い』を見事に決めていた」というのである。
 
・談志が「それは桂文楽と指摘したのは、ちゃんとした落語痛がいた昭和30年代での具体例である。僕の世代なら「具体的には古今亭志ん朝と言ってもいい。では平成20年代なら、30年代なら誰なのか。「誰もいない」ということになるのではないか、と談志は危惧している。
 
・2010年、私的落語家ランキング
 
1 柳家小三治 2 立川志の輔 3 桃月庵白酒 4 立川談春 5 春風亭一之輔  6 柳家喬太郎  7 立川志らく  8 橘家文左衛門  9 立川こしら  10 三遊亭白鳥  11 春風亭昇太  12 柳家喜多八  13 立川談笑  14 柳家さん喬  15 柳家三三  16  柳亭市馬  17  古今亭志ん輔  18 三遊亭歌武蔵  19 柳家花緑  20 柳家小せん 21 林家彦いち 22 春風亭一朝  23 瀧川鯉昇  24 春風亭百栄  25 笑福亭鶴瓶  26 三遊亭天どん  27 入船亭扇遊  28 入船亭扇辰 29 三遊亭兼好  30 立川左談次柳家一琴三遊亭歌奴柳亭こみち
 
桃月庵白酒禁酒番屋』『替り目』『松曳き』『火焔太鼓』『明烏』『付き馬』『井戸の茶碗』『鰻の幇間(たいこ)』『寝床』春風亭一之輔『あくび指南』柳家三三『妾馬』など。

 

いいなあ〜。ナマの高座、聞きたいなあ。落語ファン、オススメです。(・∀・)

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