「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「名画は嘘をつく 2」(木村泰司)

 
このシリーズ、いいなあ。美術にはほとんど縁のないワタシが読んでも、オモシロイし、惹きつけられるなー!♪美術館に行きたくなっちゃうなー! (・∀・)
 
「誰もが知る絵に秘められた魅惑の嘘をひも解く。シリーズ10万部の話題作待望の続編!芸術の勲章オールカラー125点」そのエッセンスを紹介しよう。
 

欧米では、社交の場でよく美術が話題になります。政治や宗教と違い、特定の人物の気を害する心配がない上、知識さえあれば誰でも会話に参加できるからです。このような社会的背景には、美術と建築、さらに古典文学(神話)が、上流階級に属する人々にとって伝統的に必須の教養だったからです。

 
そのため、美術の話題は「踏絵」的な役割も担っていました。会話の内容によって、その人物の育った環境や受けた教育など、バックグラウンド的なものが表出しやすいからです。
 
・このことは、絵画に描かれた世界観や主題性にもいえます。画家本人の知識や教養、そして近代以降は印象や感情など、主観的な要素が作品に投影されやすいからです。もちろん絵画を構成するためには画家の演出や解釈が必要です。演出や解釈には、本来からすれば「嘘」となってしまう描写が表れることもあります。しかし、その嘘を見つけることも美術鑑賞の楽しみでもあり、会話の種になるのです。美術史を愛する者として、西洋美術が多くの方により親しみやすいものとなることを願ってやみません。
 

 
▲ 「最後の晩餐」巨匠の完全オリジナルとはかけ離れてしまった レオナルド・ダ・ヴィンチ(イタリア) 本来なら晩餐の料理も魚よりも肉だった。
 

「ぶらんこ」(ぶらんこの幸福な偶然)((ジャン・オノレ・フラゴナール
無邪気なタイトルながら不倫劇を絵の中で表現
 
司教が押すぶらんこに乗る自分の愛人と、それを下から覗き見る自分の姿を描いてほしい……と、貴族の男がある画家に注文しました。この当時、ぶらんこに乗ること自体は性行為を暗示していました。その上、娘の片方の靴が脱げて飛んでいるのは性的に奔放であることを意味します。さらに、靴が向かう先にあるクピド(エロス、愛の神)像が指を立てて内緒のポーズを取り、不倫の恋がテーマであることを示唆しています。本来はぶらんこを押す司教が描かれるところを、画家は娘の夫らしき初老の男に変えることで、作品自体が不倫劇となりました。
 

 
「ギターを持つ乙女」マリー・ローランサン)清純な異性愛ではなく、情熱的な同性愛が源に。
 
ローランサンは詩人ギョーム・アポリネールとの恋と別れ、芸術愛好家のドイツ貴族との結婚と破綻の後、彼女は幻想的でロマンティックな独自の作風で人気画家となりました。そして40歳を超えた彼女の愛の対象となったのが、21歳年下の女性シュザンヌだったのです。ローランサンは70歳を超えて死を迎える前、生活を共にしてきた恋人シュザンヌを正式に養女にします。それはフランスで同性婚が合法化される59年前のことでした。
 

 
▲ 「4人の福音書記者」(ヤーコブ・ヨルダーンス)この時代、書物は二つ折りではなく巻物だった
 

 

 

第一弾も併せてオススメです。(・∀・)

 

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