酒場のギター弾き 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「フェルメールになれなかった男 20世紀最大の贋作事件」(フランク・ウイン)

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いや〜この本は、スゴイわー!こんなことってあるのー!!!20世紀最大の贋作事件があったなんて知ってたー!?嘘か真か!?((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
 
 
秀れた才能を持ち、将来を嘱望された画家は、なぜ贋作作りに手を染めることになったのか。第二次大戦終結直後のオランダで、ナチの元帥ゲーリング所蔵のフェルメールの絵画」に端を発して明らかとなった一大スキャンダル事件に取材。高名な鑑定家や資産家たちをもまんまと欺いた世紀の贋作事件を通して、美術界の欲望と闇を照らし出し、名画に翻弄される人々の姿を描き出した渾身作」そのエッセンスを紹介しよう。
 
メトロポリタン美術館前館長のトマス・ホーヴィング氏は、在任期間16年の間に自分の許に持ってこられた作品のうちの六割は、「見かけとは異なるもの」だったと推測する。ニューヨーク・タイムズ紙は、美術市場で売りに出されるメジャーな作品の四割は贋作である報ずる、こうしたことは、決して今に始まったことではない。
 
贋作とは人類史上二番目に古い職業であるという。贋作の多くは人から人へと売り渡され、その過程でどんどん真作へと変身していく。売られる回数が多ければ多いほど、画廊に飾られれている期間が長ければ長いほど、その作品は正真正銘の本物となっていくんです』
 
・億万長者並の生活を送っていたファン・メーレンーマスコミは彼のことを「オランダの親ナチ芸術家」と呼ぶようになっていた。イク・ベン・エン・フェルファルサー(私は贋作者です)ーこの四つの言葉は、彼をナチ・シンパから一転して国民的英雄へ変貌させるはずなのだ。
 
・「画家を目指すのなら、絵の具の作り方を知らなければならない。色彩というのは、イギリス人が発明したチューブごときものから簡単に絞り出せるものではない。それはつくるものなんだ。オランダ黄金時代の巨匠も、デルフトの巨匠ヨハネス・フェルメールも、研削盤と磨り棒を使って、石や粘土から自らつくり出したんだ」
手ほどきを受けた伝統的な技法だったら、すでに消滅していた。絵の具を自らつくり出す能力こそが真の画家の卓越した技量の一つなのだ。そして、はからずもそれが贋作者にとっても計り知れない大事な用具であることを、ハンは後年になって知ることとなる。
 

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▲ エマオの食事
 
芸術家はひたすら才能で身を固め、贋作者は文字通り再生を企てる。贋作者は、みな、人に認められたがっている。一流画家の仲間入りをしたいし、有名な画廊の壁の一隅を飾っているよ、と家族に電話したいのだ。完璧を期する熟達した贋作者もいる。成功するために、彼は、詐欺師として才能を磨くのはもちろんのこと、すぐれた美術史家、修復家、化学者、筆跡鑑定家、文書係とならねばならない。怠け者には向かない仕事である。とはいえ、何はさておいても贋作者に必須の技は、嘘をつく才能である。
 
・「あなたの作品は、すばらしいと申し上げなければなりません。事実、稀に観るものです。あなたが私たちを愚弄したとい認めるのはたやすいことではありません。しかし、あなたの作品は、フェルメールの生涯の二つの重要な時期の間に横たわる空白、すなわち不明の時期を埋めるべく、非常に細心の注意を払って構想されています。さらに、われわれのうちの何人かにとって、あなたの作品は、生きている間に真に偉大な傑作を発見するという、個人的な、ひそかな野心を満足させるものでした。私たちの望むところを知って、あなたは私たちを罠に掛けました。最後には皆、騙されました。私たちをやすやすと取り込んでいったのは、私たちに献身と熱狂の念があったからです。真実と美への私たちの探究心が私たちを盲目にし、騙される結果を招いたのです」
 
・「被告は、提供しているのが真筆のフェルメールだ、などと一度も口にしたことはありません。それらがフェルメール作品だ、と言ったのは専門家たちなのです。このことのどこが詐欺だと言うのですか?その限りにおいて『犠牲者』のうち誰も、作品を手放そうとしていないのです。騙されたと感ずる人がとる行動とはとても思えません。犠牲者の一人は、購入額の全額を支払うとい言われたが断った、と私に言いさえしました。そうだとすると、どこに被害者がいるのでしょうか?
 
美術作品の鑑定という作業は……贋作やコピー作品という地雷の埋まった美しき花園を歩くのに似ている。一歩踏み誤れば、積み上げてきたものすべてが一瞬にして失われてゆく。美術は人を引きつけ、夢中にさせ、迷わせる底なしの魔界なのだ。この魅惑的だが確たる大地を持たぬ世界に近づく者は、研究者、愛好家、美術品の売買を業とうる者の別を問わず、襲ってくるであろう危険や損失を覚悟の上で足を踏み入れねばならないのだ。
 
銀板写真の登場で絵画は死んだ!?」そうだよね〜!ホンモノとニセモノは紙一重だったなあー!超オススメです!(・∀・)

 

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