このタイトル、いいなあ。気になるなあ。人間が熊になっちゃのか!?そうです、そうなんです。なぜ熊になってしまったのか!?そのドラマとストーリーが良い!( ・∀・)イイ!!
「自分はもう熊でもなく人間でもない__。熊になろうとした少年イキリの魂の彷徨。池澤夏樹が紡ぐ、大人のための創作童話」そのエッセンスを紹介しよう。
・イキリの親たちは心正しいアイヌではなく、 心がねじくれたトゥムンチの一族でした。
熊を獲っても、熊の魂をちゃんと神の国に送らなかったのです。
本当ならば狩人は送りの儀式をして、 獲物の魂を手厚く神の国に送ります。
獲物に向かって、私のところに来てくれてありがとう、 自分たちのおなかに入ってくれてありがとう、と礼をいいます。
それから、その動物の霊が無事に神の国に帰って、 またいつか別の熊の身体に入って
きてくれるよう心を込めて祈ります。 それがアイヌの正しいやり方です。
しかしイキリの一族は、自分たちが強いから、 だから熊が獲れるのだと思っておりました。熊を獲ったあとでは、 負けた熊をバカにして、得意になって家に帰りました。
・今はみないなくなった。
山には木はなく
川には鮭はなく
山には鹿はなく
狼もなく、
アイヌもいない。
わたしたちは巣を作る水楢の気にも事欠いている。
もうわたしたち(シマフクロウ)の卵は
孵(かえ)らず ひなは育たない。
誰もいない奈美なにもない山に
風が吹くばかり。
風が吹くばかり。
今はみないなくなった。
今は、わたしたちの嘆きの歌がこだまするばかり。
命はつながっているよね。深く考えさせられる本。多くの人に読んでほしい。超オススメです。(・∀・)