「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「熊になった少年」(池澤夏樹)

 

このタイトル、いいなあ。気になるなあ。人間が熊になっちゃのか!?そうです、そうなんです。なぜ熊になってしまったのか!?そのドラマとストーリーが良い!( ・∀・)イイ!!

 

 
・イキリの親たちは心正しいアイヌではなく、心がねじくれたトゥムンチの一族でした。
熊を獲っても、熊の魂をちゃんと神の国に送らなかったのです。
本当ならば狩人は送りの儀式をして、獲物の魂を手厚く神の国に送ります。
獲物に向かって、私のところに来てくれてありがとう、自分たちのおなかに入ってくれてありがとう、と礼をいいます。
それから、その動物の霊が無事に神の国に帰って、またいつか別の熊の身体に入って
きてくれるよう心を込めて祈ります。それがアイヌの正しいやり方です。
 
しかしイキリの一族は、自分たちが強いから、だから熊が獲れるのだと思っておりました。熊を獲ったあとでは、負けた熊をバカにして、得意になって家に帰りました。
 
今はみないなくなった。
山には木はなく
川には鮭はなく
山には鹿はなく
狼もなく、
アイヌもいない。
わたしたちは巣を作る水楢の気にも事欠いている。
もうわたしたち(シマフクロウ)の卵は
孵(かえ)らず ひなは育たない。
誰もいない奈美なにもない山に
風が吹くばかり。
風が吹くばかり。
今はみないなくなった。
 
今は、わたしたちの嘆きの歌がこだまするばかり。
 

命はつながっているよね。深く考えさせられる本。多くの人に読んでほしい。超オススメです。(・∀・)