はじめてビートルズを聞いたのが『レット・イット・ビー』と『ヘイ・ジュード』中一くらいだったかなあ!カセットテープを何十回、何百回聞いたかわからないくらい聞いたわー!ギターをはじめる前なんで、ワタシの音楽のベースになってるなあ!♪ (・∀・)
「流行音楽は忘れ去られるのが常。なぜ彼らだけは例外なのか。解散半世紀でも、時代、世代を越えて支持され続けるビートルズ。音楽評論の第一人者が、彼ら自身と楽曲の地理的、歴史的ルーツを探りながら、その秘密に迫る」そのエッセンスを紹介しよう。
・ビートルズほど多くの本が出版され語られてきた音楽家は他にいないでしょう。伝記、作品解説、録音データ、学術書から、関係者の回想、ゆかりの土地の観光案内、来日時の行動や買物まで、書かれていないことはもう何も残っていないのではないかと思えるくらいです。それなのにビートルズについての本を書いてしまいました。なぜ?
・矛盾するようですが、それはすでの数えきれないほど本が出版されているからです。皮肉なことに、細部に詳しければ詳しいほど、ビートルズの全体像がかえって見にくくなっているようにも感じられます。
・コード進行のここが新しかった、こんな記録を打ち立てた、などと分析的に語ることも研究としては重要です。しかしそれは空気や窒素や酸素からできていると説明するのに近い作業です。この本ではむしろ森林浴のようにビートルズの魅力を味わい、その背景や歴史に思いをはせ、かつて受けた印象やいま受ける印象について語ろうと思います。解散から半世紀以上経ったいまだから俯瞰的に見やすいことも確かです。
・メンバーは労働者階級の家庭でした。当時のイギリスの階級制度は厳しく、いくぶんかの誇張をこめて「労働者の若者が成功するには、スポーツ選手かミュージシャンかコメディアンになるしかない」と言われていました。ビートルズはまさにそれを体現したグループでした。
・ビートルズが音楽においても行動においても一貫して変化し続けたグループだったということです。変化は誰にでも起こりうることですが、ビートルズの音楽と活動の変化の幅はそれまでの誰よりも大きく、不可逆なものでした。
・67年にアルバム『サージェント・ペパーズ』が発表されたときは絶賛の嵐でした。「(このアルバムは)まぎれもない文学であり、評論であり、時代のふるいにかけられて、世代から世代へ浸透するたぐいのものである」(『サタディ・レヴュー』)『聞くものにポピュラー音楽の歴史を考えさせるばかりでなく、今世紀という歴史を思わせる』(『パルチザン・レヴュー』)などなど。
世界一の人気グループ、ビートルズが世代を超えて評価されたことの波紋の大きさは桁違いでした。ロックやポップスのヒット曲は成長にともなう通過儀礼の道具のようなものと思っていた人は、考えを改めざるをえなくなりました。
・流行現象の記録を差し引いても心に残るのはビートルズの音楽ですが、それは彼らの考えや行動、それを生み出した歴史や時代や社会を抜きにして語れません。
・ジョン・レノンは、エルヴィス・プレスリーを聞いて「人生のすべてが変わった。ただもう完全に魂を揺さぶれた」ジョンはまたリトル・リチャードを聞いて「あまりにすごすぎて言葉が出なかった」とも語っています。
・ビートルズのようなグループは、そもそも、存在しなかったのだ。三人のギタリスト(一人はベーシスト)とドラマーで、三人ともフロントに立ってリードボーカルとハーモニーをこなし、曲まで作ってしまうグループ……そう言ってしまうと単純明快だが、前例がなかったのだ。