「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「木のいのち 木のこころ」(西岡常一)

アコギ(アコースティック・ギター)は生涯のトモダチ。やっぱりハカランダが好きなんだよね〜!今は絶滅危惧種の稀少木材。あの木目、色、音!タマラナイよね〜!愛器・テリーズテリー(Terry’sTerry)も、サイドとバックはハカランダを使いました。気がつくとハカランダのギターばかりなんだよねー!♪
 
さてこの本。法隆寺の宮大工、西岡常一さん。いや〜名言だらけだね〜!!!
 
木は人間と同じで一本ずつが全部違う。それぞれの木の癖を見抜いてそれにあった使い方をしなければ…。一生を桧と古代建築ですごしてきた著者が、木をいかに生かすか、技や勘、人をいかに育てるかについて語る」そのエッセンスを紹介しよう。

私の家は代々法隆寺に使える大工でした。法隆寺大工とか斑鳩寺工といか呼ばれてました。私の祖父のときに法隆寺の棟梁の役目を仰せつかり、私の代までその仕事をしてきました。そんなわけですから私のまわりはみな宮大工でした。ほかにも私の生まれた西の里はさまざまな職人の住むところでしたので、子どものころから職人の生活というものを見てきました。
 
さいわい私は棟梁として放り出されている解体修理、法輪寺の三重塔の再建、薬師寺の金堂をはじめ西塔、中門、回廊など薬師寺伽藍の再建の仕事に携わることができ、たくさんの職人と一緒に仕事をしてきました。
 
コンピュータが発達し機械の時代が来ましたら「職人」が消えていきました。時代は科学第一になって、すべてが数字や学問で置き換えられました。教育もそれにしたがって、内容が変わりました。「個性」を大事にする時代になったといいますな。しかし、私たち職人から見ましたら、みんな規格にはまった同じもののなかで暮らしているようにしか見えませんのや。
 
一人前の職人になるためには、長い修業の時間が掛かります。近道や早道はなく、一歩一歩進むしか道がないからです学校と違って、頭で記憶するだけはだめです。
自分で経験を積み、何代も前から引き継がれていた技を身に着け、昔の人が考え出した知恵を受け継がなくてはならないのです。なぜならすべての仕事を基礎から、本当のことは何なのかを知らずに何も始められず、何をするにしても必ずその問題にぶつかるからです。途中を抜かしたり、借り物でその場を取りつくろっても最後には自分で解決しなくては職人の仕事は終わりません。
 
・私らが相手にするのはです。木は人間と同じで一本ずつが全部違うんです。それぞれの木の癖を見抜いて、それにあった使い方をしなくてはなりません。そうすれば、千年の樹齢の檜であれば、千年以上持つ建造物ができるんです。これは法隆寺が立派に証明してくれます。
 
法隆寺を造り守ってきたのは、こうして受け継がれてきた木を生かす技ですこの技は数値ではあらわせません。文字で本にも書き残せません。それは言葉にできないからです。技は人間の手から手に引き継がれてきた「手の記憶」なのです。この手の記憶のなかに、千三百年にわたって引き継がれてきた知恵が含まれているのです。
 
・依頼主が早よう。安うといいますやろ。あと二割ほどかけたら二百年は持ちまっせというても、その二割を惜しむ。千年の木は材にしても千年持つんです。百年やったら百年は少なくても持つ。それを持たんでもいいといんですな。ものを長く持たせる、長く生かすということを忘れてしまっているんですな。
 
昔はおじいさんが家を建てたらそのとき木を植えましたなこの家は二百年は持つやろ、いま木を植えておいたら二百年後に家を建てるときにちょうどいいやろといいいましてな。二百年、三百年という時間の感覚がありましたのや。今の人にそんsな時間の感覚がありますかいな。もう目先のことばかり、少しでも早く、でっしゃろ。
 
学校と違って、百点を取ったら偉いというのとは違いますのや、仕事は。百点を取るのが当たり前なんです。この寺は八十点の出来ですから合格です」というて一人前のお金をもらうのは間違っておりますな。そないなわけで褒めるということはないですな。
 
「棟梁が山に入って木を自分で選定する」「無駄の持つ意味」など。
 
あまりに参考になる項目が多くて、三回ぐらいに分けようかと思ったけど、あとは繰り返し読んでもらおう。超オススメです。(・∀・)