「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「びんぼう自慢」(古今亭志ん生)

 

大好きな落語家のひとりが五代目古今亭志ん生。生で聞いたことがないのに、録音だけで何度聞いても笑ってします。オチがわかっても笑ってしまう。こりゃ、ホンモノだよね〜。「え〜〜」っっていうだけで笑うもんね。(・∀・)
 
「貧乏はするもんじゃありません。味わうものですな」その生き方が落語そのものと言われた五代目古今亭志ん生がこの世を去って三十有余年。今なお落語ファンを魅了してやまない師匠が、自らの人生を語り尽した名著。父のこと、少年時代、売れなかった極貧時代、なめくじ長屋の真実、関東大震災、三道楽、満州慰問、息子たち(金原亭馬生古今亭志ん朝)のことなど…志ん生伝説のすべてがここにある」そのエッセンスを紹介しよう。
 
・えー、志ん生でございます。あたしも、考えてまますてえと、ことしが数えの八十であります。あたしどもの若いころ、八十歳の爺さんなんぞ見ると、この人ァ“浦島太郎の親戚じゃァないか”なんて、うらやましく思ったものでありますが、いま自分がその年になったてえことは、こりァ夢みたいなことであります。
 
・あたしは、昔からこの年になるまで、ウソということが大きらいで、未だにウソと坊主の頭だけはゆったことがありません。
 
・あたしの本名はてえと美濃部孝蔵てんで、東京都知事をやってる美濃部さんは、別に親戚じゃァありません。親とすれば、これでも「大いに親孝行をして、蔵の一つも建てておくれよ」というような希望をもって、つけれくれた名前だそうですが、どうもこと志と違うのが世の常でありまして、ガキの時分から手のつけられない親不孝もんでして。
 
・慶応が明治になる。廃刀令が出る。斬髪例が出る。世はまさに文明開化となる……なんてえことになりますと、さァ、おさむらいさんなんてえものは、陸に上がった河童みてえなもので、さっぱり役に立ちません
 
・師匠が、「お前は、メシ好きかい?」ときくからめしィ食わなきゃ死んでしまいます」答えるてえと、メシを食おうなんて了見じゃァ、とてもだめだぞ」といわれた。食うことなんざあ後回しにして、芸の苦労をしなくちゃあ、とてもいい芸人にゃァなれねえよ、てえことを教えてくれたんでしょうねえ。あとになってこの言葉ァ随分と身に滲みました。
 
うんと田舎へ行くてえと落語なんてえものは見たこともきいたこともない人がいる。ハナシカをカモシカと間違えて百姓が鉄砲もってかけ込んで来たなんてえ話もあるくらいであります。
 
いいな。志ん生は。また聞きたくなりました。読む志ん生もオツなもので。オススメです。(・∀・)