この本も、それに匹敵するくらいオモシロイ!♪ (・∀・)
・「幸せだよ。人を遺すことが仕事だからな。 俺の教えを引き継いでくれているのは、うれしいね。『見つける、 育てる、生かす』が指導者の使命なんだけど、 育てるのは本当に難しいよ。自分の欲が先行してしまうんだ。 欲な捨てないと。チームのために、選手のために、とね……」
・今でも書店の野球コーナーに行けば、数々の「野村本」 が並んでいる。 だがその中にシダックスの3年間に触れたものはほとんどない、 プロ野球ファンにとっては「空白の3年間」かもしれない。 しかし間近で目撃してきた私は、野村が新しい人と出会い、 ふれあい、 また数多くの人材を育成していった濃密すぎる時間だったと断言で きる。「あの頃が一番楽しかったな……」 野村はなぜプロ野球監督に「復権」できたのか。「 一番楽しかった」と語る3年間は、どんな日々だったのか。
・「この場(ミーティング)は、俺の勝負なんだ。『 この人はこんな考え方をしてるいる』『だから、 この人のためにこうしよう』と、 みんなに植え付けなきゃいけない。野村克也はこういう人間だと、 理解してもらわなきゃいけないんだ。 だからミーティングの場は凄く大事で、 俺にとって毎日毎日が勝負なんだ。車の中で『 今日はどんな話をしようか』と考えてくるんだよ」
・「エースと4番は出会うしかない」
・技術面ではプロには到底敵わないが、 野球への熱い思いを感じた。「純粋なんだよな。 本当に野球が好きで、うまくなりたいと思っている。 正しい野球を教えてあげたい。 勝つ喜びを味わって欲しいって思ったんだよな」
・「固定観念は悪、先入観は罪」
・「男に生まれたならば、 一度はなってみたい3つの職業って何だか分かるか? オーケストラの指揮者と連合艦隊司令長官。 そしてプロ野球の監督だよ。まあその内の1つになれたんだから、 俺の人生もよしとしなきゃいけないんだろうなあ」
・野村がプロ野球の世界へと飛び込み、必死に努力を重ねたのは「 お金」のためだった。勝たなければ給料は上がらない世界だ。 情は捨てた。相手のクセを盗み、データを重視することで、 成功の確率を1%でも上げるべく研鑽を重ねた。 プロ野球に革命を起こした「ID野球」は勝利のための「武装」 であり「鎧」だった。そんな知将が唯一お金のためではなく、 ただ好きな野球を心から楽しみ、 魂を燃やした日々がこの3年間だった。 成功や名声をつかむための手段だった野球。 それを突き詰めた結果、つまずいた男に、 野球の神様が原点でもある「楽しさ」 をプレゼントした3年間だったと言えるのではないか。 だからこそ、野村は再生できた。
・「人間、お金が絡まないとこんなに純粋になれるもんなんだな。 プロの世界の人間とは、目が違うんだ。本当にいい目をして、 俺の話を聞いてくれるんだよ」
・「縁に始まり、縁に終わる」
・「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すを上とす」
・楽天の番記者から私のもとにはシーズン中、 何度かこんな電話が来た。「ノムさん、また楽天のことを『 シダックス』と言い間違えていたよ。試合後に『 残塁のシダックスや』って。どれほどシダックスのことが、 忘れられないんだろうなあ……」少しだけ、 誇らしい気持ちになれた。
・都市対抗野球大会決勝。「命の恩人」 へ報いることができる唯一の方法は、日本一だった。だが、 野間口の交代を決断できなかった。頂点にあと一歩届かなかった。 それでもシダックスの赤いユニフォームは、名将・ 野村克也に新たな熱情を芽生えさせた。 そしてプロ野球監督復帰ー。妻・沙知代の悲願は成就した。 ただ1つ、やり残した志太との約束ー。 野村がシダックスの送別会であれほど大粒の涙を流した理由。 そして天国に召される直前のOB会まで、 あの継投ミスを後悔していた訳が、ようやく分かった気がした。
・「一生懸命に勝る美しさはなし」