学生のとき、よく読んだ近藤唯之さんの本。明治大学の大先輩!一時期、スポーツニュースキャスターをやってたよね。久しぶりに読んでビックリ!やっぱり彼の表現力は素晴らしい!!!ここ二十年のスポーツライターたちとは格が違う!、とワタシは思う。取材力かな!?時代かなあ!?
「本塁打を打った翌日、フォームが不満でコーチに双眼鏡で打撃をチェックしてもらった長嶋茂雄。本割りで負けた14分後の優勝決定戦で、戦術の完全転換をして勝った千代の富士。後ろを振りかえらずに銅メダルになった円谷幸吉とゴール前の死闘のさ中でも時計を見ていた瀬古利彦。野球、相撲、マラソン、柔道…。勝負の世界に生き、勝負に人生を賭けた名人たちの真実の姿を描き出す」そのエッセンスを紹介しよう。
円谷も若乃花も古橋も、みんな自分の哲学を持っている。
相手と勝負すると同時に、自分の哲学との勝負といっていい。
私はそういう男たち(女たち)を、とことんまで取材し、分析し、 読者に伝えたくてたまらなかった。それができたのである。
運動部記者として、これ以上の感動はない。
・双葉山と稲尾和久をめぐる伝説。双葉山が「うっちゃり双葉」
稲尾「艫(ろ)をこぐ効用は、 バランス感覚をとぎすますことなんです。舟は波の上でこぐ。 波はいつも前後左右に揺れる。潮にまきこまれたら、 震度7の激震、それもタテ揺れ、ヨコ揺れです。 その中でバランスをだまし、 だましこぐもしバランスを失ったら舟は流されますから。 これだけは陸上では体得できません」
・王(貞治)は、結婚したとき、ピアノを持ってきた。 また華僑講演会も結婚祝いに白塗りピアノをおくってくれた。 つまりピアノ二台が王の家にあった。 プロ野球選手でピアノ二台を持っているのは、この王と、 ピアノ教師の祥子夫人と結婚した城之内邦雄投手の二人しかいない 。城之内が今でも右人差し指で“ネコふんじゃった”専門なのに、 王は楽譜も読むし、モーツアルト・ピアノ協奏曲もこなすそうだ。
いいなあ。この紙面では書ききれない。どのエピソードも一級品!さすが近藤節!!スポーツファン必読っ!超オススメです。(*^^*)