「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「名人たちの世界」(近藤唯之)

学生のとき、よく読んだ近藤唯さんの本。明治大学の大先輩!一時期、スポーツニュースキャスターをやってたよね。久しぶりに読んでビックリ!やっぱり彼の表現力は素晴らしい!!!ここ二十年のスポーツライターたちとは格が違う!、とワタシは思う。取材力かな!?時代かなあ!?

 

本塁打を打った翌日、フォームが不満でコーチに双眼鏡で打撃をチェックしてもらった長嶋茂雄。本割りで負けた14分後の優勝決定戦で、戦術の完全転換をして勝った千代の富士後ろを振りかえらずに銅メダルになった円谷幸吉とゴール前の死闘のさ中でも時計を見ていた瀬古利彦。野球、相撲、マラソン、柔道…。勝負の世界に生き、勝負に人生を賭けた名人たちの真実の姿を描き出す」そのエッセンスを紹介しよう。

 
東京五輪・銅メダル保持者、円谷幸吉は、42.195キロを走破中、遂に一度もうしろを振り返らなかった。振り向くな幸吉!」これが円谷のマラソン哲学である。
 
横綱若乃花は、土俵の俵の上を伝わって、逃げまくる稽古をやった。「押さば押せ、引かば押せ、押して勝つのが相撲の極意」という技術習得法の中で、彼だけは逃げる稽古も取り入れた。
 
古橋廣之進は、水中で水をかくとき、五本の指をぴたり、揃えない。要するに、“八つ手”の葉のように、指を開いたまま、水をかく。指と指の間に“水膜”ができ、水はもつれないという。
 
円谷も若乃花も古橋も、みんな自分の哲学を持っている。
相手と勝負すると同時に、自分の哲学との勝負といっていい。
私はそういう男たち(女たち)を、とことんまで取材し、分析し、読者に伝えたくてたまらなかった。それができたのである。
夕刊フジ運動面に「記録を刻んだー戦後スポーツ100人」と題し、昭和49年5月1日から50年8月23日まで、連載回数405回、延べ登場人物100人で。
運動部記者として、これ以上の感動はない。
 
 

双葉山稲尾和久をめぐる伝説双葉山「うっちゃり双葉」といわれた粘り腰、稲尾が鉄腕になれたのも、同じように艫(ろ)を漕いだから?

 

稲尾「艫(ろ)をこぐ効用は、バランス感覚をとぎすますことなんです。舟は波の上でこぐ。波はいつも前後左右に揺れる。潮にまきこまれたら、震度7の激震、それもタテ揺れ、ヨコ揺れです。その中でバランスをだまし、だましこぐもしバランスを失ったら舟は流されますから。これだけは陸上では体得できません
 
・王(貞治)は、結婚したとき、ピアノを持ってきた。また華僑講演会も結婚祝いに白塗りピアノをおくってくれた。つまりピアノ二台が王の家にあったプロ野球選手でピアノ二台を持っているのは、この王と、ピアノ教師の祥子夫人と結婚した城之内邦雄投手の二人しかいない。城之内が今でも右人差し指で“ネコふんじゃった”専門なのに、王は楽譜も読むし、モーツアルト・ピアノ協奏曲もこなすそうだ。
 
 
 
いいなあ。この紙面では書ききれない。どのエピソードも一級品!さすが近藤節!!スポーツファン必読っ!超オススメです。(*^^*)