福岡での朝。テレビの報道の交通情報では、JR、地下鉄、西鉄のみ。実にシンプル!東京圏なら、JR、地下鉄でも東京メトロが13線と都営4線が、私鉄(東急、京王、京急、小田急、西武、東武、京成)神奈川だけでも、周辺だと相鉄、江ノ電、シーサイドライン、大雄山、箱根登山など……ひえ〜!いっぱいあるなあ!やっぱり日本って鉄道王国だなあ!(・∀・)
さてこの本。「小林一三神話を覆す! 私鉄黎明期の語られざる歴史。「阪急や阪神、東急や西武といった”電鉄”が、衛生的で健全な”田園都市”を郊外につくりあげた」――よく知られたこの私鉄をめぐる物語の深層には、「寺社仏閣」を舞台とする語られざる歴史があった。近代の荒波を生き抜く希望を鉄道に見いだした寺社と、そこに成功栄達の機を嗅ぎつける怪しくも逞しき人々が織りなす、情熱と欲望、野望と蹉跌のドラマ。鉄道誘致と都市開発をめぐる、ダイナミックで滑稽で、そして儚い、無二の日本近代都市形成史」そのエッセンスを紹介しよう。
・本書は、都市と「電鉄」をめぐる物語である。
阪急や阪神、東急や西武といった日本の電鉄は、日本の近代大都市、とりわけ郊外空間の形成に大きな役割を果たしてきた。「田園都市」を謳った郊外住宅地にターミナルデパート、遊園地といった二十世紀の日本の大都市の郊外を語るうえで欠かせない要素は、基本的に「電鉄」がつくり出してきた。そして、その電鉄を核に郊外を開発するというモデルを創出したのが阪急の小林一三であり、東急の五島慶太や西武の堤康次郎は、小林を模倣、応用しながら都市空間をつくっていった。
・…こうした物語を、私達はごく当然のものとして受け入れている。だが、実は世界的に見れば、こうした都市の成り立ちはかなり特異だ。ニューヨークやロンドン、パリといった世界的な大都市では、日本の電鉄のようなものが都市形成を主導してきたことは稀だからだ。
・初期の電鉄をめぐる世界では、神社仏閣とそれを取り巻く人々の、ある意味無軌道ともいえる行動が郊外空間をつくり出していった。黎明期には、現在の視点から見ると「怪しい」人々は蠢(うごめ)いていた。そうした人々を突き動かしていたのは、寺院や神社を興隆させたいという熱情であった。そのすさまじいまでのパワーが、電鉄を、ひいては日本の都市をつくり出していったのである。本書は、「電鉄」と社寺を取り巻く「怪しい人々」に光を当てることで、都市と鉄道という近代化の物語の陰に隠された都市形成の歴史を明らかにしようというものである。
西鉄は違うんだろうなあ!?鉄道ファン、必読。オススメです。(・∀・)