いまでも懐かしい。ヤクルトスワローズと西武ライオンズの日本一は、広岡さんだったよね。「名将」という名前をほしいままにしたよね。ハリさん(張本勲)同様、球界のご意見番として後進の指導にあたってほしいよね。(・∀・)
「ヤクルトと西武の監督で日本シリーズに優勝、セ・パ両リーグで日本一を達成した“名将"広岡達朗氏が、85歳になった今、野球人人生を通じて会得した思想と体験を一般の読者に伝えるために書き記した、後世への“遺言"ともいうべき書。スポーツ指導者にとどまらず、すべての指導者、管理職、経営者必読の一冊」そのエッセンスを紹介しよう。
・85歳になった私が、今、もっとも伝えたいのは、 人には誰しも「天命」があるということです。40歳をすぎると、 自然治癒力はだんだんと弱くなっていきます。 病氣やケガをするということは「あなたのやり方は違うよ。 間違っているよ。正しなさいよ」 という身体が教えてくれると考えればいいのです。病氣とは、 間違った生活習慣を伝える、身体からのSOSです。
・すぐに答えを出せる人間が「天才」です。普通はそうでない「 凡人」です。「世界のホームラン王」となった王貞治もまた、 努力に努力を重ねた野球人なのです。「人は絶対に育つものだ」 という信念は、こうして私のうちに宿りました。
・日本ハムの大田泰示外野手。「私がコーチならば、 大田を化けさせてやれるのに」 と思わずにいられない選手の一人です。 いまの球界にはそんな選手がゴロゴロいます。 能力を引出してくれるよい指導者に出会えないまま、 球界を去っていく若者の姿を見ていると、 いたたまれなくなります。なぜか?野球界に「育てる力」 がなくなってきているためです。
・アメリカのマイナーリーグは、 最下層のルーキーリーグから7段階にクラス分けされています。 人を育てる立場の者の、 1段階ずつ上を目指して勉強していきます。つまり、 有名無形を問わず、 指導者として能力のある人間がはい上がっていく、 非常に公平かつ厳格なルールが敷かれているのです。ですから、 アメリカには、 スーパースターで現役を退いたあとに監督になる選手はほとんどい ません。「オレは稼ぐだけ稼がせてもらった。 あとは家族を大事にすることの人生を使う」 といって監督を目指さないからです。
・私は、50歳で西武の監督になったとき、 これが監督として1球団を日本一に導く最後のチャンスと考えてい ました。 身体を張って教えられるのおは50代までと思うからです。 だからこそ、選手たちへは、 彼らの引退後も見据えた教育を行いました。
・ サンケイスポーツ部長の北川貞次郎さんから原稿をダメ出しされま した。「この文章には、5つの要点があるね。読者は、 一度読んだだけでは5つものことを考えられないよ。 このなかでどれがいちばん大事だー!その1つを選んで書き直せ。 これは、 一点絞りといって新聞記事を書くうえでいちばん大事なことだ。 これを覚えておくと、名文を書けるようになる」3年間、 大手町のサンスポに毎日通い、 北川さんのもとで原稿を書き続けました。 そのおかげで文章力だけでなく、 野球の分析力にも磨きをかけられました。ゲームを観戦し、 それを自分で原稿にまとめるため、 ゲームの観方に真剣さが増したのでした。
・王の一本足打法は「無意識の静止」を体現したものでした。「 さあ、いらっしゃい」と一点の迷いもなく珠を待つ静止の状態。 これこそが本物の一本足打法です。 通常のバッターは打つ前に身体の中心がぶれてしまいます。 しかし、よいバッティングをするには瞬間的な「静」が必要です。 良くも緊張もなくリラックスした状態、 なおかつ中心が臍下の一点に集まっている状態が「静」です。 王が一本足でスッと立ったとき、見る者は一瞬、 ときが止まったように感じます。 これこそまさに静の状態なのです。
・多くの選手は、そのことを理解しておらず、 足を上げて反動をつけているのです。これは「動」の状態で、 タイミングが合いにくく、かえって打ちにくく、 かつ打てなくなります。王が一本足で立ったとき、どの方向から、 いくら押しても、びくともしないことは有名です。 臍下の一点で立っているので、一本足でも、 二本足で立っているとき以上に安定しているのです。大事なのは「 欲を捨て、余計なことを考えず、無心にシンプルに打つ」 ということなのです。
「絶頂期に惜しまれるなかで去れ!」はなるほど、だね。こういう人のアドバイスは希少だね。野球ファン、経営者必読っ!オススメです。(・∀・)