「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「空洞のなかみ」(松重豊)

f:id:lp6ac4:20211027221640j:plain

 

孤独のグルメなどで大活躍の俳優の松重豊さん。明治大学のひとつ先輩だ。やっぱりウチの大学は「個を大事にする会社」、個性的な人が多いよね〜!(・∀・)

その松重さんの本だよ〜!物書き松重豊、誕生!軽妙洒脱な筆致で描かれる演者の心象風景。連作短編小説12編+エッセイ25編を収録」そのエッセンスを紹介しよう。

 

・「あそこの菩薩さんなぁ、中、空っぽですんや。木の仏像やのに中くりぬくのは手間やけど、そうせんかったら千年以上ももちまへん。火事があっても軽くて持ち運べるし、ひび割れもせえへんからな、よう考えて作られてますんや。
 
その空っぽの空洞に、いろんなもん入るようになってて、あんたみたいな人の愚痴もぎょうさん入るようになってますねん。そいでもな、また別の人来たらまた空っぽのまんまや。またなんぼでも入るんや、ようでけてる。ある人に言わせたら宇宙らしいねんけどな。京都出たことも無い私には宇宙ゆうたかてよう分からんけどな。
 
あ、そや、空っぽとな、無、ちゅうのは違うんもんなんやて
 
深いなあ……。最後の行のオチが実に利いている。オススメです。(・∀・)

 

f:id:lp6ac4:20211027221640j:plain