「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「敗れても 敗れても 東大野球部「百年」」の奮戦」(門田隆将)

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以前からずっと不思議だった、東京六大学野球。なぜこの六大学なのか?なぜ唯一、国立の東京大学が入っているのか。負けて負けて負け続けている東大がっ!!!(・∀・)その秘密がこの本にっ!!!

 

「戦場の知事」島田叡は昭和20年6月、沖縄・摩文仁の丘で消息を絶った。遺骨は現在も見つからない。東京帝大野球部OBの一人である。日本の野球史そのものである同部の歩みには、卒部生の数々の壮烈な人生が浮かび上がる。野球の「本質」とは何か。ひとつの目標に向かってひた走ることの「価値」とは何か。その原点を追う渾身のルポルタージュ負けても負けても、それでも挑戦をやめない集団――史上最多の17勝をあげた伝説の大投手や、初優勝に“あと一歩"まで迫った「赤門旋風」の主役たち、150キロ左腕・宮台康平らへの徹底取材を通じて、すべてが解き明かされる」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
・学生野球の頂点に立っているのは、ご存知、東京六大学リーグである。その中に一度も優勝を成し遂げたことがない不思議なチームがある東京大学野球部平成31年には「創部100年」を迎える伝統の野球部である他の5大学に比べて大きなハンディがある。甲子園に出場したような野球エリートが「入って来られない」のである。
 
・もともとの力量が圧倒的に劣っており、仮に勝利を得るとしても、それは創意と工夫。そして努力によって「実力差」を克服しなければならないという「宿命」を背負っている。言い換えれば、東大野球部を考察することは、野球というスポーツの「本質」を問いかけるものである。通算253勝1618敗、引き分け55、勝率、一割三分五厘(平成29年秋季リーグ終了時点)平成27年には前人未到の94連敗敗れても敗れても、それでも挑戦をやめない一風変わった集団ーそれが東大野球部なのだ。
 
・私がこの部に興味をいだいたのは、ある人物の存在による。島田叡(あきら)太平洋戦争末期、青酸カリと日本刀、そして『葉隠』と『南洲翁遺訓』という二冊の本を持って知事として沖縄に赴いた内務官僚である。島田は学生時代、東京帝大野球部で俊足巧打の外野手として鳴らした名選手だった。野球部のために高等文官試験の受験を一年棒に振るという自己犠牲を示した人物でもある。そして、わずか43歳で閉じた人生の最期にも、さまざまな場面で、勇気と優しさと心意気を示した。日本が戦争に敗れることを知っていても、それでも自らの職責に忠実で、住民のために死力を尽くす。それが、今も沖縄の人々に「島守」として島田が慕われつづける理由である。
 

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東京六大学リーグは、野球界の中で唯一、天皇杯が下賜されている。それは、同リーグが伝統と真剣さに裏打ちされた最高の「勝負の世界」にあるという誇りの証でもある。なぜ、こう負けつづけるのか。勝てなくてもいいのか。しかし、それでも東大野球部は挑戦する。なぜ島田叡のような人物をこの部は育んだのか。力が劣りながら、それでも挫けず、挑戦し続ける「何か」に、その秘密があるのかもしれない。
 
・岡村甫「東大野球部の優勝は夢です。夢がたとえ実現しなくても、その夢に向かっていけばいいんじゃないかと思います。とにかく、甘い球が来たら打って、チャンスを三回か四回つくって、その一回をものにすればいい。その中で、三点か四点を取ればいい。それが、とりあえずの目標です。それを、ずっとつくり上げて続けていけば、いいピッチャーが来たときがチャンスなんです。十年にひとりぐらいは出てくるものですからね。そのときがチャンスなんです」
 
・小林至「東大野球部は神様からの贈り物です。野球が大好きで、そんなにうまくない子が大舞台に立てるチャンスをくれる場所だと思います。高校のときにそんなに大したことがなくても、最高峰に近い選手たち、つまり、甲子園のスターたちと真剣勝負をさせてもらえるのですから、こんな素晴らしいことはないですよ」
 
東大野球部のスカウトは特殊だ。仮に東大を受験し、不合格になった場合は、「浪人」してもらわなければならない。これは、ほかに早稲田や慶應などに現役合格しても、それを蹴って「浪人してください」という意味である。つまり、そのことを親御さんや本人にお願いするために存在すると言ってもいいだろう。
 
点を取られても取られても、応援部も、顧客も、絶対に挫けない。悲壮な雰囲気の中で、応援部は声を枯らし続ける。彼らにとっては自分たちの応援が足らないから野球部が負けている」のである。「ひょっとしたら」の思いを胸に通い続けるファンも、時代を超えて絶えることがない。東大野球部にとって、負けることは「あたりまえ」だ。しかし、たとえそうであっても、部員たちは「次は勝つ」「いつか必ず優勝を」という思いを絶対に捨てないのである。便利なインターネット時代に、これほどアナログで、これほど愚直な姿勢で、挑戦をつづける組織の貴重さを思う。そして苦しくても、引き継がれる目標も弱音も吐かずに追い求め、歴史を伝統を継承しようとする精神を貴重だと思う。天国にいる島田叡も、毎年東京大学と刻印されたボールを持って、手を合わせに来てくれる後輩が自分と同じように今も勝利を目指して精進していることに微笑んでいるに違いない。

 

「無敵を誇った一高野球」「苦難の道と六大学加入」「伝説の最多勝投手・岡村甫(はじめ)」「四年間「勝ち星」なし」など。

 

目が悪くなって中学で野球を諦めたけど、本当は神宮で野球、やりたかったなあー!島岡さんの指導を受けたかったなー!♪ いつかは東大が優勝する日がくるかも!オススメです。(・∀・)

 

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