現在98歳の瀬戸内寂聴さん。いつのまにか瀬戸内晴美から出家して寂聴さんになって、もう何年になるのだろう!?その寂聴さんの秘書が書いたのがこの本っ!
「まなほが来てから、よく笑うようになったと言われるのよ」。66歳年下の秘書しか見ることのできない寂聴さんの「おちゃめな素顔」と「愛あふれる本音」を赤裸々に綴った初エッセイ。先生の可愛らしさ、優しさ、強さ。そして人には見せない弱さ、寂しさ――。笑えます!泣けます!人を愛することの素晴らしさにあらためて気づかされる一冊。同時に本著は、先生との出会いを通じた一人の女性の“魂の成長”ドラマです」そのエッセンスを紹介しよう。
・瀬戸内寂聴。わたしが7年間ともに生きている先生は、止まることなく、 ずっと走り続けている。過去も見ずに前だけを見て。 一度切りの人生を後悔しないように、 自分の心のままに正直に生きることを教えてくれた。 後どのくらい、一緒にいることができるかわからなけど、 いつか離れ離れになるその日まで、 わたしは先生とずっと一緒にいたい。
・24時間、365日、休みという休みを持たない先生。 大好きなお風呂に入って手脚を伸ばしているときくらいは、 ゆったりと過ごして欲しい。
・「書くことは快楽」と言い切った先生は、 28歳のときからペン一本で生きてきた。 28歳のときに三島由紀夫へファンレターを書き、 ペンネームをつけてもらい「三谷晴美」の名前で雑誌『少女世界』 に少女小説『青い花』を掲載し、初めての原稿料を貰う。 30歳を前に出会った小説家・小田仁二郎と8年間の不倫生活『 夏の終り』は代表作だ。35歳の『花芯』という小説いは『子宮』 という言葉が何度も出てくることや「 ポルノ小説で自分のセックスを自慢している」 などの匿名酷評を受け、文壇から5年も干される。 その経験があるからこそ、 今でも仕事を頂くことがありがたいと言い、 基本的にどの仕事も断りたくないという気持ちを強く持っている。
・先生の本来の考え方は作家は「孤独」 であるべきだと思っている。結婚していたり、 家族がいることもなく、ただ一人で書く。一人だからこそ書ける。 だからこそ先生は「ひとり」にこだわり続けるのかもしれない。 そして先生はいつも「自分は幸せになってはいけない」 と思い続けている。
・「私はもうしたいことも、食べたいものも、 行きたい場所もすべてかなえたからもうないの。 だからいつ死んでもいいの」と先生は言うけれど、決して「 もう書き尽くしたからこれ以上小説書く必要はない」 と言ったことは一度もない。
・体調が良くなってからの先生は毎晩、お酒を欠かさない。 寂庵の中には、紫色のネオンが輝くホームバー「ぱーぷる」 がある。尼寺にバーって!!(笑)「肉を食べないと、書けない」 というほどの肉食女子。「首にかけている。これ(輪袈裟) を外せばいいの」と言って、ひょいと外してもりもり食べる。
・わたしは24時間先生のことを考えている。 お休みをもらって旅行に行ったって、 何をしていても先生のことを忘れることはない。 おいしいものを食べると、「先生もここに連れてきてあげたいな〜 」と思うし、悲しいことがあると「先生助けて〜〜!」と思うし、 嬉しいことがあれば「先生聞いて!」と思う。 今のわたしの頭の中は先生でいっぱいなのだ。
・不倫の何が悪いの? 好きになってしまったのだから仕方ないでしょう? 好きになるって雷が当たるようなものなのよ。だから、 それをよけるか打たれるかしかないの。恋は突然、 降ってくるんだもの。それは運命なのよ。 雷に打たれた経験がなく死んでいくなんて私は不幸だと思うわ。 たった一度の人生だもの。『 好きになった相手に奥さんがいただけ』 と思って気持ちを穿けばいい。でも人の幸せを奪った上での、 自分の幸せはあり得ないけどね。
いいねえ!寂聴さん、100歳は軽くいけそうだね。母に読ませたいなあ。オススメです。( ^ω^ )