一日一冊一感動!小野塚テルの『感動の仕入れ!』日記

タイトルは、『一日一冊一感動!小野塚テルの感動の仕入れ!』日記。 毎日の読書、映画、グルメ、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。(ときどき「酒場のギター弾き」「B級グルメ」も紹介します)

「紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード」(ほしおさなえ)

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紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード (角川文庫)
 

最近、ハマっている、ほしおさなえさんの本。活版印刷日月堂もそうだったけど、印刷とか紙の世界にハマってしまうなあっ!!!


「編集者の母と二人暮らしの百花はある日、叔母に誘われた「紙こもの市」で紙雑貨の世界に魅了される。会場で紹介されたイケメンだが仏頂面の一成が、老舗企業「紙屋ふじさき」の親族でその記念館の館長と知るが、全くそりが合わない。しかし百花が作ったカードや紙小箱を一成の祖母薫子が気に入り、誘われて記念館のバイトをすることに。始めはそっけなかった一成との関係も、ある出来事で変わっていく。可愛くて優しい「紙雑貨」に、心もいやされる物語」そのエッセンスを紹介しよう。

 
紙ってどうしてこんなに魅力的なんだろう。すぐやぶれそうだし、水にも弱いし、なんというか、儚い。だからだろうか。いくらきれいないものを手に入れても結局使えない。いつか使う日を夢見て、そっと引き出しに取っておく。ああ、そういえば、父からもらった束見本もそうだったっけ。
 
わたしはやっぱり紙の本が好きだ。なかに書かれた言葉だけじゃなくて、紙に印刷された文字、表紙の佇まい、すべて含めて本なのだ。ページをめくるときの音、手触り、本の匂い、そういうのすべて含めて読書なのだ。わたしたち人間が、思考だけでできているわけじゃないのと同じように
 
紙はむかしから強い力を宿すものだった。文字は言葉は形にしたもの、目に見えない重さがあると語り、文字をのせる紙にはそれだけの力が宿っている、と書いていた。紙の力。その通りだと思う。だけどいまは、文字をのせるのは紙だけじゃなくなっている。パソコンにスマホ電子の文字が世界中にあふれている。そのうち、記録のための紙は必要なくなってしまうんじゃないか和紙にかぎった話じゃない。だけど紙には力がある。みんなそのことを知っているから紙に惹かれる。薫子さんも柳田さんも藤崎さんも。紙こもの市に集まってくる人も、きっとそうなんだ。
 
・「細川紙、本美濃紙、越前和紙、石州半紙……きれいだな。なんだからなつかしくて、涙がでる。なんでだろうな。こうやってだれかの手に作られたものは、いつだって……。小さくても、切れ端でも、あたたかい。このままいけば、和紙は高級な工芸品になってしまうだろう。印刷では用紙に勝てないし、障子や襖だってなくなっていく。作れる場所も、作れる人も減って、いつかは消えてしまうかもしれない。それが世の中の流れなら仕方がないことなんだよなあ。だけど、これがここにあったことを覚えておいてほしい、って思ってしまう。だって、ここにあるんだから」

 

いいなあ……この雰囲気。紙っていいねえ。ほしおワールド、全開っ!オススメです。(^_^)

 

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紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード (角川文庫)