中日ドラゴンズの監督を経て、WBCの2009年WBCでサムライジャパンを世界一に導いたピッチングコーチとしても活躍。氏の最強の組織作りのノウハウとは?60歳を超える著者が20代個性派をまとめる対話術、イチロー、原監督を支えた参謀学とは?そのエッセンスを紹介しよう。
わたしがWBC投手コーチに指名されたのは「イチロー担当」 という意味合いも含まれているのだろうという自覚がありました。 もはや球界では孤高の存在のようで、 周囲から声をかけにく雰囲気に包まれているイメージがあるみたい です。普段のイチローはそんなとっつきにくい男ではありません。
「イチローのへの手紙」
イチローへ
優勝おめでとう。君の苦労している姿を見て、 わたしはずっと心を痛めていました。……でも、 最後はやっぱりイチローらしく、かっこよく決めてくれましたね。 さすがです。……。君の野球人生において、 この優勝がまたひとつ誇れる、おおきな勲章になったね。……。 最後になりますが、これからシーズンに入れば、 また大きな記録への挑戦が待っている。 これから気持ちを新たにして、大変だろうけど頑張ってほしい。 今までは、コーチと選手の間柄でした。 だから君にはあえて厳しいことを言ってきました。でも、 それはイチローだからわかってくれていると信じていました。 くれぐれも体に気をつけてプレーしてください。 日本では馬鹿な男が、焼酎のお湯割りを片手に、 君の活躍に一喜一憂しているんだからね。 これからは一人のイチロー・ファンに戻って……。
「これでまたしばらく会えないな。これ、 あとで時間があったら読んどいてくれ」「なんですか」 そう言いながら、イチローはもうわかっているんです。 すっごい喜ぶの。にこーっと笑ってね。可愛い後輩なんですよ。 それがイチローとの別れの儀式だった。
あるとき、 わたしの自宅の居間にあるファックスの受信ランプが点灯した。 そこから出てくるイチローからの手紙に驚きました。待てども、 待てども、ファックスの受信が終わらない。 その手紙はまるで巻物のように伸びていくわけですから。それが、 1メートル、2メートルなんてものではない。とにかっくず〜 っと、ず〜っと、川のように流れ続けるのです。感動しました。 イチローは毛筆で書いてくれているんです。わたしへの手紙を。 大きな字でね。それもしっかりとした書体で、延々と、 わたしに熱い気持ちをぶつけてくれた。うれしかった。 今でも大切に保管しています。
最後の締めくくりは、達筆な太い字で
いずれまた、どこかで同じユニフォームを着られたらいいですね… …。
その気遣い、やさしさが身に沁みた。 コーチ冥利に尽きるじゃないですか。
いいねえ……一流だけがわかる境地なんだろうねえ。野球っていいなあ。野球ファン必読っ!オススメです!(・∀・)♪