「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「たとえる技術」(せきしろ)

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たとえる技術 (新潮文庫)

たとえる技術 (新潮文庫)

  • 作者:せきしろ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/09/28
  • メディア: 文庫
 

 この本はいいねえ!よくセミナーでいう「例え話」のワザを分かりやすく解説した本。その切り口と着眼点がハンパないっ!ピースの又吉直樹は、「この本は、急患が出た飛行機に偶然乗り合わせた名医、いや、すりおろしリンゴを食べさせてくれる母のようだ」と例えている。(笑)思わず笑えて、少し切なくて、使ってみたくなる「たとえ」の魔法!!圧倒的なユーモアを生み出す表現力の秘密は「たとえ」にある!

・頭にソーラーパネルを設置されたお地蔵様のようにとまどう
オダギリジョーが本名と知った時のように驚いた
・樽の中の黒ひげの男のような孤独
・混雑したフードコートで場所取りをさせられている老人のように寂しい

思わず笑っちゃって、意外と学べて、どこから読んでも面白い。そのエッセンスを紹介しよう。

 

「たとえる」と一瞬にして眼の前の世界が変わる。
それは風景を鮮明にし
 
「銀杏並木が」
 
バス停に置かれた古い椅子のスポンジのように黄色い
小学1年生のランドセルのカバーのように黄色い
毒ガス検知に使われたカナリアのように黄色い
梶井基次郎がレモンを並べまくった書店のように黄色い
 
感情を際立たせ
 
「幸せ」
 
郵便受けの中に自分宛の郵便が入っていた時のような幸せ
席替えで窓際になったような幸せ
ソーメンを流してくれる役の人がいるような幸せ
札束のお風呂に入るような幸せ
 
想像力を掻き立て
 
「距離」
 
高い椅子に座った子どもの足と床のような距離
ドミノが途切れてしまうような距離
改札を出ずに柵越しに荷物が受け渡されるような距離
太った人がゆっくりジョギングするような距離
 
そして伝わる。
見えるものも見えないものも
すべてを変えるのだ。
 
とわいえ、
たとえが万能であるとは思わないし
社会生活を送る上で
必要不可欠ではないことはわかっている。
しかしたとえは、
何かのきっかけになる。
目の前の世界が変わったように、
あなたの何かが変わるはずだ。
 
本書はそのきっかけを与えたい。
 
 
・「うれしさ」
 
「この犬、他の人に懐くこと滅多にないのよ」と言われた時のようにうれしい」最後の期末テストが終わった時のようにうれしい」「思っていたより買取額が高かった時のようにうれしい」
 
・「たいしたことない」
 
→「CDの再生に問題のない小さな傷のようにたいしたことない」「おばあちゃんが孫の名前を間違えるようにたいしたことない」会計の時伝票をテーブルに忘れたようにたいしたことない」「一瞬だけ外に出る時に母親のサンダルを履いたようにたいしたことない」カップ麺の「お召し上がりの直前に入れてください」と書いてあるスープを先に入れてしまったようにたいしたことない
 
・「盛り上がってますかー?」
 
さるかに合戦で飛び出してくる栗のように盛り上がってますかー?」「お湯が湧く寸前の電気ケトルの中のように盛り上がってますかー?」「エアー抽選機の中で回っている三角くじのように盛り上がってますかー?」「大浴場の使用済みタオルのように盛り上がってますかー?」
 
・「暗い」
 
「開演後に入った劇場のように暗い」「誕生日のサプライズが始まる店内のように暗い」油断してドライヤーを使った途端ブレーカーが落ちたように暗い」「子どもの頃入った押入れのように暗い」
 
・「違い」
 
若貴兄弟それぞれの人生のように違う」「普段行くスーパーとデパ地下の惣菜コーナーのように違う」「普段時と正月の番組のように違う」
 
 
「視点を変える」「似た形を探す」「似た色を探す」「似た動き」「よくある表現をアレンジする」「得意分野を利用する(例、野球)」「学校を使う」「著名人を使う」「同うつを使う」「想像力を利用する」「広い、狭い」「大きい、小さい」「長い、短い」「アウェー感、ホーム感」「偶然」「待つ」「優しい」など。
 

これはちょっといろいろと試してみる価値ありだね。超オススメです。(・∀・)!

 

 

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たとえる技術 (新潮文庫)

たとえる技術 (新潮文庫)

  • 作者:せきしろ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/09/28
  • メディア: 文庫